【速報】公安腐女子が警察庁に戻って来た件について

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風見side

「おつかれさまです。先失礼します」

今日は仕事が早く終わり俺はまだパソコンとにらめっこしてる人たちに言った。

「あぁ、おつかれ」
「また明日な」

先輩達はパソコンを見つめながら適当に返事をした。
そんな彼らの目の下には大きなクマができていた。
彼らはしばらく自分達の家に帰らずここでずっと寝泊まりしていた。
かくいう俺も例外ではなく、昨日から一睡もしていないので目に少しクマができていた。

公安部と書かれた部屋を後にして長い廊下にでる。
廊下の二番目の曲がり角を左に曲がり、
更にそのまままっすぐ進んだ先の3番目の曲がり角を右に曲がったところにエレベーターがある。
公安部が使っている部屋からエレベーターまでうんざりする程遠かった。
いつもならこんなにうんざりする事は無いのだが、睡眠をしていない今の俺にはキツいものがあった。

「はぁ.......」

小さいため息をついて長い廊下を歩く。
歩きながら俺は今日のAの事を考えていた。

「コーヒーです」
「この資料のここって.....」
「あの事件の事で少しお話が.......」

Aはそんな事を言っていた気がする。
彼女は分からない事はすぐ人に聞くタイプなので、いつもと変わらないが
俺は彼女の作る表情にやっぱり違和感を感じていた。

「(あんなに不自然な笑顔だったけ)」

そう、今日のAの笑顔は貼付けたような笑顔だった。
顔の書かれていない真っ白な人形に笑顔の人の写真を貼付けたようだった。

何故そんな顔をするのか、お前に何があったのか。

聞きたい事はたくさんあった。
けれど、聞けなかった。
どうしてもあの時の_________________

「........え？」

そんな事を考えながら最初の曲がり角を曲がると、
休憩室にAが居るのが見えた。

そしてAの目からは大粒の涙が溢れ出していた。



どうして泣いてるんだ？
悩みがあるんだろ？



そう言って近づこうとすると
遊園地での降谷さんとAがキスをしていた様子が目に浮かんで
泣いている彼女に気づかなかったフリをして休憩室の前を通りすぎた。

「(.........ほんと、かっこわるいな。俺って)」

そんな事も言えないなんてな。

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