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窓の外を眺めていると不意に降谷さんが
「で、早川。お前風見にどうやって告白するんだ?」
と声色を変えて言った。
さっきまで私が降谷さんを振って悲しそうにしていたのに。
私の為に無理をしているのだろうか。
でも、ここは降谷さんのためにも心配しているそぶりを見せては行けない。
「………………まだなにも…………」
そう、降谷さんを降ったはいいものの何も考えていないんだ。
「私、1度祐也に告白されて降ったのでそう簡単にはうまう行かないと思います」
「…………………………チューすればいいんじゃないか?」
「………………は?」
「そうだ!チューすればいいんだ!」
「い、いやでも!祐也には彼女……というか好きな人?がいるんですよ!私見ちゃったんですよ!女の人が祐也とトロピカルランドに行ってるの!」
「…………それは嘘だ。
この前河合が言ってた。可愛い子を紹介しろって言われて紹介したのに結局だめだったって。
ついでにその人とトロピカルランドに行ったって話してたぞ」
…………そうだったのか。
なんか、安心した。
「だったらチューできるよな!」
「いや、それとこれと話が違いますよ!!!」
だいたいなんでチューするんだ?
別に告白でもいいじゃないか。
そう言っているあいだに車は私の家の前で止まった。
「ありがとうございました」
私が車のドアを開けて車を出ようとすると降谷さんは私の手を引いて私を抱きしめる。
「ふ、降谷さん……!?」
「…………行かないでくれ」
降谷さんは今にも消えそうだった。
やっぱり、私が降谷さんのそばにいないと……
「なーーんてな」
降谷さんは私を離して冗談っぽく言った。
「早川、俺を振ったんだからチューぐらいしろよ。じゃないと俺の顔が立たなくなるだろ」
そうだ。
私はこの降谷さんをふったんだ。
「…………。そうですね。がんばります!」
私はそう言って笑った。
頑張るしかない。
ありがとうございます!と降谷さんに告げて私は自分の家に戻って行った。
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成人済女児(プロフ) - 本当に本当に出会えてよかった夢小説です。素敵な作品を書いてくださり本当にありがとうございます。今人生で一番幸せです。これから何度も何度も読み返させていただきます。終わり方も素敵で号泣しながら読んでいました。大好きです。本当にありがとうございます! (2022年8月27日 10時) (レス) id: f6d3b20fef (このIDを非表示/違反報告)
成人済女児(プロフ) - 素敵な夢小説をありがとうございます。4ヶ月前に風見裕也を好きになった新参者でそれからずっと夢小説を探していたのですが中々私に合う夢小説はありませんでした。そんなときこの夢小説を見つけて、読んで、胸が締め付けられるくらいキュンキュンしました。→ (2022年8月27日 10時) (レス) @page18 id: f6d3b20fef (このIDを非表示/違反報告)
らー - すごく、すごく良かったです。一気読みしちゃいました!私が思い描いていた作風でまたほんとに素敵な終わりかたで… この作品に出会えて本当によかったです!!!!! (2022年1月5日 2時) (レス) @page16 id: 3a63c576d7 (このIDを非表示/違反報告)
ますしん - 数の子さん» 続きが気になります!待ってます!! (2019年1月27日 19時) (レス) id: 644073c0b8 (このIDを非表示/違反報告)
夜空。(プロフ) - ア"ア"ア"ア"ア"降谷さんんん!こーゆう小説探してました!!何か...何かすごいです!!(語彙力が無い)泣きそうになりました()これからも更新楽しみにしてます!!頑張ってください! (2018年8月15日 16時) (レス) id: 50d20e9bb9 (このIDを非表示/違反報告)
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