小さくなったタラし女【降谷零】

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「今日は散々だったわね」

阿笠邸に帰ると灰原はそんな事を言った。
灰原の方から私に話しかけてくるなんてどう言う風の吹き回しなのか。

「あら貴方、私から話しかけてる事に驚いているの？
あれだけ私に話かけて来ておいてその顔はないんじゃない？」

そりゃそうだけど...

急にそんな態度取れたらこまるでしょ。

「灰原さんは私の事が苦手なんじゃなかったの」

「.....えぇ、今でも苦手だわ。
でも、まぁ貴方が敵じゃない事は子供達への接し方で分かるわ。

それに、貴方の目的は分からないけれど、私が貴方を避けてもなにも変わらないし」


これは彼女が私に心を許してくれくれた証拠なのだろうか。
だとしたら、嬉しい。

人に嫌われるよりはすかれた方がいいし。


「それで、貴方にこれを渡そうと思って」


そう言って薬をポケットから取り出した。


「これは....？」

「これは、一時的に元の姿に戻る薬。
まだ完全に出来上がっていないから、時間が経てば元の姿にもどってしまうけど。
この薬は風邪を引いていないと効果が出ない可能性が高いから風邪を引いているときに使って。

あと、この薬は使いすぎると元に戻れなくなる可能性があるから使うのは非常事態の時だけにしておいて」

「....なんでこれを私に？私がこの薬を飲んで何かしないかとか思わないの？」


私の質問に灰原は
「.....貴方は危険な存在だと思っていたけれど、
江戸川君が貴方をそんなに警戒しなくても大丈夫って言っていたから」

と答える。

......灰原は相当あの黒めがねの事を信頼しているらしい。

いや、信頼と言うか好意を抱いているって言った方が正しいのか。


「シェリーのときより、今の灰原哀の方が素敵よ」


私の言葉に彼女は少し頬を赤く染めた。

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