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ある時、

2限目の地理が終わりクラスのヤツらと

駄弁(だべ)っていると、「東井」と先生に

呼ばれた。



東「なんすか?」

先「昼休みに昨日のレポート
クラス全員分集めて、
職員室に持ってきてくれないか」

東「なんで俺!?」

先「今日は2日でお前の出席番号だからな。
頼んだぞ」

東「へーい」



ったく。ついてねぇな。


さっき駄弁っていたヤツらに「ドンマイ笑」

「しっかりやれよw」とウザイいじりを

受けながら、クラスのみんなに声をかけ

レポートを集めた。


あれ、11番のレポートだけない。

11番は確か………………鬼藤か。


教室を見渡すと丁度鬼藤が教室から

出ようとしていたところだった。

俺は慌てて声を掛けた。



東「鬼藤!」



すると鬼藤は少し肩をビクつかせ

俺の方へ振り返る。


なんでそんなビビるんだ?


ふと辺りがやけにシーンと

静まり返っていたことに気づいた。


教室の隅で話していた陽気な女子グループも

取っ組み合いをしていた男子たちも

さっきまで騒がしかったクラスメイトが

少し驚いた表情をしている。

多分皆が静かになったのは

「鬼藤」という名前だ。


「なんでこいつに声掛けてるんだ?」

「喧嘩になる!危ない!」と、

怯えたような目線が飛び交う。


そんなものは気にせず再び鬼藤に話しかける。



東「鬼藤。地理のレポート
集めてるんだけど、ある?」

鬼「……………」



鬼藤の返事はない。

周りからの嫌な空気が

本人に分かるほど漂っている。

これじゃ言葉も出やしない。



東「まだ書き終わってないなら、
先生に言っておくけど」



俺はこの空気をぶち壊そうと鬼藤を促す。



鬼「………………今、出しに行くとこだった」



その時、初めて鬼藤の声を聞いた。


あぁ。なんだろう。

なんでこんなに俺、嬉しいんだろう。



東「俺出しに行くからいいよ!それ頂戴」



鬼藤は少し躊躇(ためら)いながらも、

シワひとつないビッシリと文字で

埋め尽くされた綺麗な紙を

積み重なった束の上にそっと乗せた。

3→←第6章 噂のアイツ



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設定タグ:腐女子&腐男子 , BL , オリジナル   
作品ジャンル:ラブコメ, オリジナル作品
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リト(プロフ) - つくづく昔の絵が下手すぎて恥ずかしいですね笑 (2021年8月17日 22時) (レス) id: 96d4802982 (このIDを非表示/違反報告)
リト(プロフ) - 久しぶりに更新!そして画力もupしました! (2021年8月17日 22時) (レス) id: 96d4802982 (このIDを非表示/違反報告)
リト(プロフ) - トゥルルさん» ありがとうございます!!!!!!!!!そうなんですよ、私の妄想を爆発させたかっただけです笑 (2021年8月17日 21時) (レス) id: 96d4802982 (このIDを非表示/違反報告)
トゥルル - 自分向けじゃないですか!?え?ちゅき、、ちゅきぃぃ(キモ)たまにあるイラストと2人の絡みにやられてます、、、更新応援してます! (2021年8月4日 21時) (レス) id: 8bb533ad2d (このIDを非表示/違反報告)
リト(プロフ) - 150評価!?ありがとうございます!!! (2021年6月1日 20時) (レス) id: 96d4802982 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リト | 作成日時:2019年7月7日 1時

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