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浮所
浮所「くそ〜あっちぃ〜この暑さどうにかならないわけ?」
下敷きでぱたぱたと胸元を扇ぐ。
高校3年生。夏。
まだ7月中旬だとは思えない程の暑さだった。
大昇「おい!浮所!早く行かねぇと遅れるって!」
大昇が廊下からひょこっとこちらに顔をだして言う。
浮所「まじ!?走れーーー!!!」
おれは椅子からガタンッと音をたてて飛び上がった。
すぐに教室から出て大昇の手をひいて走り出す。
全速力で一番下の階まで降りて、角を曲がり一番奥の教室に入る。
浮所「うし!間に合った!」
那須「間に合ってないぞ」
黒板の前に立っていた那須は笑いながら俺の肩を叩いた。
大昇「完全に浮所のせいだからね!」
大昇はムッとした顔で俺に言った。
那須「いいからお前ら早く座れ。前回の反省するぞー」
大昇と目を合わせて、笑いながら1番後ろの席に座る。
浮所「委員会なんて入るんじゃなかったー放課後まであんのかよー」
大昇「お前が入るって言い出しんたんだろ」
浮所「まーそうだけどさー」
大昇「急に入りたいって言い出したからびっくりした。
これまでそういうのめんどくさいからいいって言ってたのに。」
浮所「最後の思い出作り!これまで入ったこと無かったからやったの!」
おれは焦るように返事した。
大昇「怪しい…実は好きな人がこの中にいるとか!?」
浮所「おまっ!ばか!そんなわけないだろ!」
那須「おいそこうるさいぞ。」
焦る俺をみて大昇は大笑いしていた。
全く、薄情なヤツめ。
俺がわざわざ委員会に入った本当の理由なんて絶対言えるわけない。
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作者名:くれあ | 作成日時:2021年6月12日 17時