【ｲ.ﾅ.ｽ".ﾏ.ｲ.ﾚ.ﾌ".ﾝ】Dear My World【Ⅰ】 (ページ4)

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「ねぇ、片付けお手伝いさせてくれない？」

そう、目の前の彼女は言った。円堂達は一瞬、ぽかんとした表情になったが次第に満面の笑みを浮べ、

「本当か?!」

と姉に円堂は詰め寄る。姉の方も笑顔でもちろん、と答えた。自分の了承も無く進む会話に弟の胸中は困惑の一言に尽きるだろう。まじで?とでも言いたげに視線を両者に向けている。

「すっげー助かる!ありがとな。俺、円堂守!こっちは木野!あー…そっちは?」

「私はAA、よろしくね。」

「俺はA弟、よろしく。」

「おう!よろしくな!A、弟!」

円堂は彼の白い歯を、木野は可愛らしい会釈を見せながら自己紹介。姉弟もそれに応え名乗る。お互いの名前を確認した彼らは、早速部室に入ろうと足を踏み出した。すると

「あぁ!思い出した!」

と、何かを納得したかのような木野が声を上げる。

「どした?」

「円堂くん…どうした?じゃないよ!」

「え?」

「もう、知らないの?AA先輩!」

「先輩?…先輩?!うわ、ごめん！じゃなくて、すみません！俺、敬語…」

焦った様子で謝罪する円堂。しかし彼はどうやら勘違いしているようだ。木野は呆れながら、そういうことではない、と彼の勘違いを訂正する。

「もう、本当に知らないの?」

「へ?」

木野はがっくりと肩を落とし溜め息を一つ。対して彼は本当に心当たりがないようで、彼女の様子を見て慌てていた。さながら夫婦漫才である。