【ｲ.ﾅ.ｽ".ﾏ.ｲ.ﾚ.ﾌ".ﾝ】Dear My World【Ⅰ】 (ページ23)

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「お腹、大丈夫?!」

「蹴られた時は焦ったぞ!」

二人はそう言いながら円堂の元へ走り寄る。当の本人は元気な様子で、大丈夫だと返事をした。その言葉を聞き本当かと疑いながらも、安堵する姉弟。

「そうだ、まこ!」

Aは心配そうな様子でまこに駆け寄る。それを見ている弟は、グラウンドで呆然としている小学生達に、片付けを促す。

「怪我はない?…怖かったね」

「よし!みんな、そろそろ片付けようか!」

小学生達はぎこちなくだが、片付けの為に動き出す。
しかし、いつもの様に片付けを始めることで幾分か彼らの恐怖は和らいだようである。
まだ幼く、守られる立場である彼らにとって、今日の様な出来事は非日常もいいところである。恐怖を抱くのも自然なことだ。だが、そんな様子を見せずにいつもどうりに作業をする彼らは本当にいい子達であると弟は手伝いながら思う。それと同時に自分の不甲斐なさに自己嫌悪を禁じえなかった。
Aも、だいぶ落ち着いた様子のまこと共に、片付けを手伝い始め、それを見ていた円堂と木野も作業に取り掛かる。

───空が深い茜色に染まった頃。
片付けも終わり、小学生達を早めに帰し見送った四人も帰路につく。少し遅くなってしまったので皆心成しか、急ぎ足に思える。

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