time 2 ページ2
「ありがとうございます…」
『いーえ、はい、体温計』
見知らぬ男の子は慣れた手つきで棚から体温計を取り出して私へと向けてくる
オドオドしながらそれを受け取るとニコッと微笑むその人は…なんだか空気が柔らかくて、どこか安心感を覚える
そう言えば、ベッドで寝てたんだよね…起こしちゃったかな
「あの、すみません…休んでるところ邪魔しちゃって」
『あー全然。別に体調悪い訳じゃないからね』
「へ…？」
『ただのサボりだから』
淡々と“サボり”と言葉にするその人に驚いた。
サボりなんて本当にあるのか…漫画の中だけだと思っていたからちょっとビックリ
ボーッとする意識の中でそう思っていると、ピピッと体温計が音を鳴らして合図を出す
体温計を取り出してそこに書かれた数字を見れば、熱が出てるとは言いにくい微妙なライン。所謂微熱。
何度？と聞かれて答えようとしたとき、ガラッと保健室のドアが開いた
《あら？珍しいお客さんだね、》
『頭痛いんだって〜』
《それは大変！熱はどのくらい？》
ドアに目を向けると、見覚えのある保健の先生が立っていて私を見てきょとんとした表情
若くて女子の私から見ても可愛らしい先生で、クラスの男子達がよく話題に出してるのが聞こえてきたから覚えている
そんな先生と親しげに話す男子を見て感心した。私は先生にも上手く話せないから…
「あ、37℃です…」
《そう、ちょっとお休みしましょう。偏頭痛持ちとかじゃない？》
「いえ、風邪も滅多に引かないので…」
《じゃあ疲れてるのかもね。先生には伝えとくからゆっくり寝て？確認の為に授業前に起こすけど、無理しなくて良いから》
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 461人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にんじん！。(プロフ) - 優風翔さん» ジャニオタでもありおひさまでもあったのですぐに気づきました！笑笑Twitterも占ツクも応援してます〜！ご自身のペースで焦らず更新してくださると嬉しいです！ (2021年10月27日 21時) (
レス) id: f611f7246f (このIDを非表示/違反報告)
優風翔(プロフ) - にんじん！。さん» そうですよ〜！よくお気づきで！ (2021年10月27日 18時) (レス) id: 0bb0331bf8 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん！。(プロフ) - 突然すみません！Twitterのイメージ画の女の子ってこさかなですか！？ (2021年10月27日 18時) (レス) id: f611f7246f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：優風翔
| 作成日時：2021年10月25日 21時
