【狼ゲーム】ありがとう、さようなら 〜6章〜【飯田リンタロウ】

第185話【それでもなお】コウside ページ11

コウ「なんだ………コレ」







この日記の字はAの字



だが、書かれてる内容は全く知らない



行方不明だった頃に書いた日記なのかもな



日記を書いてる楽しそうなAの姿が浮かぶ









コウ「A………会いたい」



メリー「でも、Aさんは死んでしまいましたよ？」









急に目の前に現れたメリー



メリーの言う通り、Aは死んだ



死んだという事実は受け止めた



それでもなお、俺はAに会いたいと願う









メリー「でも、困りましたね」



コウ「お前の悩み事など興味ない」



メリー「Aさんに関することの悩みですよ？」



コウ「その話、詳しく聞かせろ」









Aに関することか



もしかしたら、今回の殺人のヒントになるかもしれない



聞いといて損はないはずだ









メリー「実は……」



貴女「実は？」



メリー「Aさんが死んでしまったため…………！？」



貴女「あっ！兄様、その日記帳を拾ってくれてありがとう」









夢か？幻覚か？



Aは死んだはずだ、ピラニアに食べられて



生き返ったのか？



だが、身体は失くなってしまったはずだ



身体が失くなれば、生き返ることなんて不可能だ



じゃあ、なぜ、Aが目の前にいる？








貴女「兄様？まるで死人を見ているような目を………んん！！」



コウ「………」









俺はAの腕を引っ張り、強引に唇を奪う



舌と舌を絡めてるため、厭(いや)らしい音が図書室の中に響く



Aの顔は苺のように赤く染まっていて、目はもっと欲しいと要求していた









コウ「おかえり、A」

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