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『女子って大変だよな〜。転ぶなよ?』
俺如きに...
スニーカーかヒールの無い靴を履けば良いのに、
少し高めのヒールを選択したA。
助手席のドアを開けてやって
"ん、" と手を差し伸べれば、
明日槍が降るって拒否された。
駐車場から店に伸びる石畳の道。
ペンギンみたいに歩く姿が可愛い。
まだ数歩しか歩いてないのにAがよろけた。
A『わッ...、』
『言わんこっちゃない〜。足首、大丈夫か?』
A『うん、、大丈夫、、。ありがと。』
すかさずAの腕を掴めた
俺の反射神経を褒めておこう。
『危なっかしいから、やっぱり手、繋げ?』
A『う、うん...』
そっと俺の手のひらに、
少し遠慮気味に置かれたAの手。
ギュッと握ればAもギュッと握り返して...
またペンギンみたいに歩き始めた。
.
『コースにするか...嫌いな食べ物ある?』
A『無いよ、だいたい食べれる。』
『じゃ、このコース料理2つ。
飲み物は....俺は炭酸水で。
Aは?アルコールでも良いぞ?』
A『そ?じゃあ...赤ワインで。』
「かしこまりました」とお辞儀をした店員から
Aに視線を向け、
俺としては早く決めたい事を話す事にした。
『で、いつ退社すんの?』
A『あ、来月末に退社する。
それまでは引き継ぎやら教育やらで
忙しいと思うー。』
『暫くニートしたいって言ってたよな?』
A『うん。あー、楽しみなんだけど。
ニート生活。』
想像してるのか、ふふって笑った。
『ま、そろそろ働きたいって思ったら
すぐに俺に連絡して?
次の日から働かせてやるから。
スーツも置いといて?
嫌なら全部捨てて、新しいの買ってやるから。』
真剣に言ったつもりなのに
Aは笑いを耐えるようにしてたけど...
耐えきれなくなって爆笑した。
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ねこたん(プロフ) - 初めまして!コメント失礼します!このお話読ませて頂きました!最高でした✨これからも応援してます!! (2021年12月29日 12時) (レス) @page31 id: d1f46be94a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナイン | 作成日時:2020年4月18日 18時