あなたと私のストーリー＊TH＊ (ページ21)

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21.王子様がページ21

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スマホを両手で握り余韻に浸っていると

いきなり視界が暗くなった。

『ヌナ...風邪ひいちゃうよ？』

耳元で囁かれ、吐息が耳を掠る。

くすぐったくて体を捩ると

視界が元どおりになった。

私の後ろから私の正面に来て、

まるでおとぎ話の王子様みたいに座って

手をスッと差し出してきた。

『ヌナの家に連れてって。』

王子様が行こうと誘うのではなくて

連れて行ってとお願いしている....

不思議な気分。

上目遣い...

少し緊張した表情...

これから起こる出来事が

恋愛初心者な私でも分かる気がする。

彼もきっと勇気を出して私を誘ってくれている。

そんな気がした。

手を握り、立ち上がって。

彼を立ち上がらせて。

初めて会った時から少し高くなった

彼の眼を見つめて

『行こう....私の家に....』

今度は私が一歩先を歩いて。

彼を引っ張って。

お互い緊張しているから

会話なんて出来なくて。

家の中に入り、リビングのソファに座らせて。

『飲み物....何がいい？

ココアかお茶かコーヒーか...。』

即答でココア！と言われて

可愛くて微笑んでいたら

スッと立ち上がって

私の後ろから抱きしめてきた。

背中に当たる彼の鼓動が速い....。

『ヌナ、さっき俺の事、可愛いって思ったでしょ？

.......それをいつか、

カッコいいに変えてさせてやるんだから....。』

その言い方、すごいカッコいい。

速くなる私の鼓動。

『コ、ココア、飲も？』

少しばかり私に

ブレイクタイムを与えてください....