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「ふふ、じゃあ、甲羅は堅そうだから狙うなら首とか頭…あと、目、かしら?」
「分かってんじゃん」
真希は言い終わると同時に、地面を蹴って跳躍する。
柔らかくて衝撃を吸い込むこの地面は、力を込めて踏み切るのに向かない。
呪力を上手く操作しなければこれほど高く飛ぶのは難しいはずなのに、Aから見て殆ど呪力を感じられない真希は、いとも容易く高々と跳んでみせた。
「(なんだっけ…天与呪縛、だったかしら?)」
あたりを付けつつ、Aも跳躍する。
呪霊の左目を狙って真希が振るった長物の刃は、閉じかけたその瞼ごと切り裂く。
苦悶の声をもらす呪霊を余所に、Aはすかさず呪力で強化した足を頭上から振り下ろし、かかと落としを決める。
視界を奪われ、なすすべ無く地面に頭を打ち付ける呪霊。
地上では、呪いを込めた刀を構える乙骨と、拳を握りしめたパンダが待機している。
まだ綺麗な右目に狙いを定めて刀を振るう乙骨と、呪霊の頭を爆発四散させる勢いで殴りつけるパンダ。
両目を失い、明らかに弱った呪霊を前に、ネックウォーマーをずらした狗巻が止めを刺しにかかる。
「――爆ぜ、」
ろ、までは続かなかった。
狗巻が止めを刺す直前、ギョロリ、とこちらを覗く“目”が増えたのだ。
一、二、三、…十、…百、数百ほどの目が、じっとA達を凝視する。
その目は全て、今まで閉じている間はずっと呪霊の甲羅の模様のように見えていたもの達だった。
「(な、んだ…これ…)」
驚くパンダは、今一番呪霊に近い位置にいた。
のそり、と首を持ち上げる呪霊に、早くその場を離れようと思っているはずなのに、何故だかぴくりとも体が動かない。
ギョロリ、と甲羅にある無数の目がパンダを捉える。
「うぉおあああ」
再び、呪霊の雄叫び。
と、同時に、パンダは呪霊の頭突きをもろに喰らって激しく宙を舞う。
「パンダ!!」
「パンダ君!!」
真希と乙骨も、さっきまではパンダと同様に瞬き一つできなかったはずが、思わず出した声が音になった瞬間に、はっとする。
すかさず追撃する呪霊の攻撃を避けて、こちらを覗く目玉を極力視界に入れないようにして後ろに下がった。
呪霊から距離を取って後退した先には、いつの間にか離脱していたAと狗巻がいる。
「A…お前、気づいてたな?」
「ふふ、どっちのこと?」
「はあ? どっちって…」
「あの目のこと? それとも、首のところにいる…六人のこと?」
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カナデ(プロフ) - 頭のイカレた美女が大好きです!!!更新待ってます! (2022年10月29日 23時) (レス) @page30 id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ポチ | 作成日時:2021年3月16日 22時