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前方には呪霊。
後方にも呪霊。
もちろん、左右にも呪霊。
四方を呪霊に囲まれているせいで、自然と5人は背中合わせの形になる。
乙骨がいるおかげで寄ってくる呪霊の中に5級や4級は少ないが、それでも目視できる範囲に10数体はいた。
5人がかりの任務とはいえ、簡単に済むようなものでないのは明らかだった。
「パンダくんは、近接タイプ? それとも、遠距離が得意?」
「近接だな」
「そう、素手で殴る系ね。 わかったわ」
そんな中、Aは、数時間前に五条が言っていたそれぞれの特徴を思い返していた。
呪言師の狗巻は、名からして、言葉や文字に何か込めるタイプだろう。ならば、近距離よりは中距離向けか。
呪具を扱う真希は、武器によってリーチは異なれど、見たところ銃のようなものはあまり扱う事が無さそうなので、近接派だろう。
乙骨は刀を構えているから、まず間違いなく近接派。
ただし、その構えは拙く、新人と評されていた通りだ。あまり前には出さない方がいいかもしれない。
そして、パンダはさっき自己申告があった通り、近接。
「近接が多いわね〜」
「お前は?」
「うーん、どちらかと言えば近接かしら」
「げ、まじか」
言いながら、真希は長物を構える。
Aは、ちらり、と視線だけで一度背後を確認して、後ろの方が少しだけ呪霊が多いな、と思う。
「真希ちゃん、パンダくんが前かしら? 私と、狗巻くん、乙骨くんで後ろいくわね」
「妥当だな」
「おうよ」
なので、後ろの乙骨のフォローに回ることにした。
意図を汲んで答えた真希とパンダは、すぐさま跳びかかってきた呪霊を祓いにかかった。
池の周りだからか、わらわらと集まってくる呪霊の形は歪でいて、どこか見覚えのある生き物の形を模っているようにも見える。
例えば、今真希が長物の柄で突いた呪霊は、色こそ茶色と黒が混ざったような汚い色だが、形はザリガニに人の手足を生やしたような見た目をしている。
エビではないが、文字通りエビ反りのような体制で吹っ飛ばされて、地面に打ち付けられて祓われた。
パンダが今殴った呪霊は、多分、生き物で例えるならタガメのような見た目だ。
本物のタガメと違うところは、ギョロリとあり得ない位置についた大きい目玉と、六本ある足のうちの二本で二足歩行を可能にしている所だろう。
パンダの手によってぐしゃりと簡単に形を変えて地面に潰れたそれを見て、Aは、前衛はこのまま二人に任せて問題ないと判断した。
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カナデ(プロフ) - 頭のイカレた美女が大好きです!!!更新待ってます! (2022年10月29日 23時) (レス) @page30 id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ポチ | 作成日時:2021年3月16日 22時