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楽しそうに言い合っている龍友さんとスタッフさんに頭を下げて廊下に出る。
まだお昼過ぎたくらいだからか、ひっそりしてる廊下にしゃがんで、玲於さんの声に耳を傾けた。
玲「ごめんなさい。急用じゃなかったんだけど電話しちゃいました」
『大丈夫ですよ。昨日の事もあって、私も玲於さんとお話したいなって思ってたので』
玲「…昨日、なんかあったんですか?」
『はい!玲於さんのお陰で、ちょっとだけですが…成長できました!』
せっかく玲於さんから電話してくれたのに、昨日の事を事細かく報告してしまう私。どうしても玲於さんのおかげで成長できたのだと伝えたくてついつい前のめりに話してしまった。
『わ、ごめんなさい。私ばっかり…』
玲「いやいや。Aさんが楽しそうで良かったです」
『昨日もボーカルとバイバイしてから、その日のこと玲於さんに話したくて仕方がなくなっちゃって…』
玲「Aさんは、真っ直ぐで素直で…素敵です」
『へ…??』
玲「ご飯食べた後、連絡してくれても良かったのに。Aさんは、昨日ずっと俺のこと考えててくれたんですもんね?」
そう少し茶化したように話される。
…確かに玲於さんの言うとおりだ。
ご飯食べ終わってタクシーに乗ってから、布団に入って寝るまで玲於さんに、次に会った時にどうお礼を言おうかとか、そんな事ばっかり考えていた気がする。
『玲於さんは、エスパーみたいですね』
玲「エスパー…ですか?」
『はい、昨日確かに玲於さんの事ばっかり考えてました。』
玲「……」
はっ!!私ってば、またやってしまった!!
最近、玲於さんには何かを考える前に思ってる事を伝えてしまっている気がする。
個人的には失礼な事を言ってるとは思っていないけれど…ただ恥ずかしい!!
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作者名:ぽとふ | 作成日時:2021年9月12日 0時