いちずオタクの松村北斗くん (ページ7)

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都合の良い幻想ページ7

北斗side

「あ゛〜マジでイライラする」

ここ最近の俺はずっと不機嫌だ
ここまで俺の情緒をおかしくする原因はもちろんAちゃん

ここ数ヶ月というものあいつら(メンバー)がAちゃんも生徒である岡田塾に通い始めたせいですっかり仲良くなってしまった

ジェシーと高知と京本はおいといて、正直ああいうタイプ...と言ったら失礼だが慎太郎や樹みたいなタイプの人間と仲良くなる、仲良くなれるような子だと思ってなかった

当たり前だが俺が彼女に抱いていたイメージは所詮幻想に過ぎないのだろうか

極度の人嫌いで陰キャ...なんて自分に都合の良いように妄想して会ったこともないクセにAちゃんのことは俺だけが理解してるなんて思ってた過去の自分を殺してやりたい

それでも未だに彼女のことが好きで俺がメンバーに嫉妬してるのを見抜いているのか、楽屋でのちょっとした待ち時間でもあいつらはすぐAちゃんとのマウントを取って俺をからかってくる

「おい、北斗！ Aが沖縄での撮影の土産ってお菓子くれたけどお前も食う？
お前が愛して愛してやまないAが“俺らに”買ってきてくれたお菓子だよ笑笑」

「...慎太郎はなんでAちゃんのこと呼び捨てな訳？」

「ツッコむのそっちかよ！...っておい！！あげるとは言ったけど箱ごと持ってくなアホ！」

一連のやり取りに他のメンバーが笑ってるのをよそに、箱の中からお菓子を一つだけ取り出して大切に握り締めながら飲み物を買いに行くため楽屋のドアを開けた

するとそこに一人の小柄な女の子が立っていた

「........っ！？！？！？」