妄想癖:: エンマ大王▼ あみの酸様からのリクエスト ページ29
Aが俺を好きだと言った。
嬉しかった。長年想い続けていたから。やっとこの想いが届いたのだと。
☆★☆
俺が今日、ぬらりに黙って出掛けると愛しのAが激突してしまうのではないかと思うくらいの勢いで走ってきた。
「そんなに慌ててどうしたんだ?俺は逃げないぞ」
「そんなの分からないでしょ。エンマってばすぐどこかに行っちゃうんだから」
「あー、確かにそうだな」
「でしょ」
Aは頬をふくらませながらそっぽを向くがすぐにこちらを向いてくれた。
「あのね!さっきね、くじを引いたら水族館のペアチケットが当たったの!だからエンマと一緒に行こうと思って。ほら、だって私達……こ、恋人でしょ?」
照れながら言う彼女がなんともいじらしい。
今すぐにでも抱きしめたい衝動にかられるがそれをグッと堪える。
「それっていつなんだ?」
「明日!」
「早いな。ま、俺はいつでも大丈夫だったからいいんだけどよ」
「抜け出すからでしょ?」
「まあな」
「まったく、悪い人なんだから。あーあ、明日が楽しみだな〜」
ニコニコと愛くるしい笑顔にはずんだ声。本当に楽しみで仕方がないのだろう。
本当に俺も楽しみだった。
それなのにAが別の男といたんだ。
約束の待ち合わせの場所に行ったら俺以外の知らない男にあの愛くるしい笑顔をみせていた。
そうだ。いつも俺の前では無表情だった。
昨日までの会話は全て……全て?
いいや、違う。あれは本当に会話をしたんだ。
妄想なんかじゃない。
Aは俺の恋人になったはずだ。
だからその男の隣にいるのはおかしい。
もしかすると友達だろう。だが、なぜあいつはベタベタと俺のAに触っている?どうしてAは嫌がらない?なぜそんなに笑って顔を赤くしてるんだ。
グニャリと世界が歪んでそのあとはもう覚えていない。
いつの間にか自分の執務室にいた。
「Aは俺のことが好きで好きで仕方がないもんな」
ぬらりに渡された書類を確認しているとつい口走ってしまった。Aは驚いた顔をするとすぐいつもの顔に戻った。
そう、いつもの無表情に。
「いいえ、エンマ様。確かに人として尊敬しておりますが、私はあなたのことを好きだなんて一言も言ったことはありません。お気を確かに……。私が好きになった人はもういないのですよ」
Aの冷めた視線が心にグサリと突き刺さった。
Fin
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アロア(プロフ) - アンデルさん» 大丈夫です!!(´;ω;`)本当にまだやめないので!!!確かに今まで書いていた人がやめると寂しいし悲しいですよね……(>_<) (2019年10月15日 18時) (レス) id: dbf84190b2 (このIDを非表示/違反報告)
アロア(プロフ) - 床に寝転ぶ猫さん» わぁー!こちらこそリクエストありがとうございました!はい!無事完結しました(*´∇`*)今まで読んでくださりありがとうございました♪ (2019年10月15日 18時) (レス) id: dbf84190b2 (このIDを非表示/違反報告)
アンデル - アロアさん» アロアさんまで辞めてしまったら私...(T^T) (2019年10月15日 17時) (レス) id: 435fa9fdac (このIDを非表示/違反報告)
床に寝転ぶ猫 - わーリクエストしてよかった…(拝み)お久しぶりです!ID変わってますが床に寝転ぶ猫です!完結おめでとうございます!素敵なお話ありがとうございました!! (2019年10月15日 16時) (レス) id: 258d03d2ed (このIDを非表示/違反報告)
アロア(プロフ) - アンデルさん» 大丈夫ですよ〜(T_T)まだちゃんと占ツクで趣味まっしぐらの小説書いているので(^_^;) (2019年10月14日 21時) (レス) id: dbf84190b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アロア | 作成日時:2019年8月8日 0時