紅葉狩り:: 土蜘蛛 夢桜様からのリクエスト ページ16
紅葉の木が十分に赤く染まっている頃。
土蜘蛛とAは紅葉狩りと言って二人でおおもり山に来ていた。
「土蜘蛛の好きな元祖饅頭持ってきたんだよ〜。お昼ご飯食べ終わったら一緒に食べようね」
スキップ混じりで歩くAは相当ご機嫌なようだ。ちなみに彼女は今日が楽しみすぎていつもより早く起きてしまったし、さらに言うとお弁当もかなり気合いが入ったものを作ってきた。
「土蜘蛛が美味しいって褒めてくれたやつをいっぱいいれたんだ〜!遠慮しないでいっぱい食べてね。自分で作ってあれだけど食べるのすごい楽しみなんだ」
「Aが作る料理はどれも絶品だから吾輩も楽しみだ」
「えへへ。あ、ここにしよう」
ちょうど良い木を見つけるとAはルンルンと用意し始めた。
レジャーシートを敷いてその上に持ってきたお弁当を並べて座る。
そんな姿を見て土蜘蛛は頬を緩めた。
大ガマに仏頂面と言われる彼だが、ちゃんと喜怒哀楽はある。分かりにくいだけで。
Aの前だとよく微笑みを浮かべている土蜘蛛が見られるそうだ。
「私が食べさせてあげるね!あ〜んってやつ。土蜘蛛、口開けて〜。はい、あーん」
土蜘蛛はAの行動に若干顔をしかめるも、ほんのりと顔を赤く染めていた。
顔をしかめたのもきっと照れからきたのだろう。
「美味しいな……」
「ホントですか!?わぁぁ!嬉しい!」
「Aが食べさせてくれたから、より美味しさが増したのだろう」
目を細めて口は緩く弧を描く。
二人の間には柔らかい風が吹き、頬を撫でた。
Aは言われた言葉を反芻してようやく理解できたようで顔をボッと火が噴くのではというくらい顔を赤くした。
「なっなっ!!土蜘蛛!?」
「どうした?吾輩は本当のことを言っただけだが」
土蜘蛛は不思議そうにAを見つめると元祖饅頭を手に取り一口食べた。彼女もつられるように元祖饅頭をとり食べる。俯きながら饅頭を食べるAの頭を一撫ですると満足げに笑った。先程から土蜘蛛の表情筋はゆるゆるだ。
「A」
「うん?」
土蜘蛛はAに餡がついてるのを見つけると顎をそっと持ち上げるとそこに口づけた。
離れて、今度は唇を重ねた。
一瞬の出来事だったが二人にはとても長い時間のように感じた。
「つ……ちぐも//」
「また来年も行こう」
「うん」
はにかみながら笑うAは天使のようだったと後日言われる。
Fin
リクエストありがとうございました!
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アロア(プロフ) - アンデルさん» 大丈夫です!!(´;ω;`)本当にまだやめないので!!!確かに今まで書いていた人がやめると寂しいし悲しいですよね……(>_<) (2019年10月15日 18時) (レス) id: dbf84190b2 (このIDを非表示/違反報告)
アロア(プロフ) - 床に寝転ぶ猫さん» わぁー!こちらこそリクエストありがとうございました!はい!無事完結しました(*´∇`*)今まで読んでくださりありがとうございました♪ (2019年10月15日 18時) (レス) id: dbf84190b2 (このIDを非表示/違反報告)
アンデル - アロアさん» アロアさんまで辞めてしまったら私...(T^T) (2019年10月15日 17時) (レス) id: 435fa9fdac (このIDを非表示/違反報告)
床に寝転ぶ猫 - わーリクエストしてよかった…(拝み)お久しぶりです!ID変わってますが床に寝転ぶ猫です!完結おめでとうございます!素敵なお話ありがとうございました!! (2019年10月15日 16時) (レス) id: 258d03d2ed (このIDを非表示/違反報告)
アロア(プロフ) - アンデルさん» 大丈夫ですよ〜(T_T)まだちゃんと占ツクで趣味まっしぐらの小説書いているので(^_^;) (2019年10月14日 21時) (レス) id: dbf84190b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アロア | 作成日時:2019年8月8日 0時