小鳥のごとく:: 義経 ページ6
小鳥のごとく美しき声を持ちたる少女がゐき。
その少女は人気者で、妖怪にだに虜にしにき。
少女は日ごろのごとく町で歌へり。
そこを通りかかりし妖怪が彼女に惚れ、日ごろのごとく会ふ。
月日がたち、彼らは恋仲になりき。
☆★☆
「義経さん」
小鳥が囀ずるような美しい声が辺りに響く。
その少女が声を発するだけで命が吹き込まれるみたいなる。
「Aの声は今日も美しいな…………だが、Aは声以上に素晴らしく美しい。大好きだぞ」
「義経さん。私もあなたのことが本当に大好きです」
二人はひかれあうように唇が重なった。
義経はAの後頭部をおさえる。
甘い甘い、とろけるぐらいの口づけ。
Aは力が抜け膝から崩れ落ちそうになったが義経がAをおさえた。
「よ………つね……さぁ……ふぁ////」
ときどき漏れるAの美しい透き通った声が義経を興奮させる。
「んっ………」
「ふぁ………んぅ///」
Aの意識が飛びそうになった瞬間、義経は離れた。
二人を銀糸が繋ぐ。
「A、私はAを愛しすぎている。どうすればよいか………」
「分からない………でも、ずっと私を好きでいて？私も義経さんのこと大好きでいるから………これからもあなたのために歌を歌い続ける」
「それは嬉しいな」
義経はAを姫抱きすると彼女が歌っていたその町から姿を消した。
ついたのはAの家。
両親は畑を必死に耕している。
彼女は偉いところの娘ではなく農民の娘であった。
義経はAを床に仰向けで寝かせた。
ふと、義経はそんなことを口からこぼす。
「Aはいずれ死をむかえるだろう」
彼女は人間である。
まだ少女と言える年の彼女は年を重ね女になる。そして、老いて死をむかえる。
「私がおばあちゃんになっても義経さんは私を愛してくれる？美しい声が出なくなっても好きでいてくれる？」
「もちろんだ………Aが最期をむかえるときは側で看取ろう。そして妖怪になるだろう。妖怪になったときは私が一番にむかえにいこう。一番最初にAの名を呼ぼう」
「義経さんがいてくれるなら死ぬのはこわくないかな」
「だが、まだ先の話だ。今はこの生きている人生を共に過ごそう」
「うん」
彼はAに優しく口づけた。
その口づけは共にいることへの誓い。
「ありがとう。義経さん」
小鳥のように美しい声が義経へと発せられた。
Fin
リクエストありがとうございました♪
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アロア(プロフ) - 紫月さん» えっと、リクエストと受け取ってもよろしいでしょうか………？ (2019年6月29日 16時) (
レス) id: dbf84190b2 (このIDを非表示/違反報告)
紫月 - カイラが好きでエンマのことが嫌いだけどエンマが元人間だったことや、命を狙ってくる妖怪がいたり大王なんて良いことは無い。でも皆には明るく接しなければいけない。せれを知ってエンマが好きになってカイラが怒るけど夜しゃエンマに倒される (2019年6月29日 15時) (レス) id: b5a8929075 (このIDを非表示/違反報告)
アロア(プロフ) - エンマさん» 分かりました！これの続々編で書かせていただきますね！あと、リクエストがたまっているので書くのはだいぶ遅くなります。申し訳ありませんm(_ _)m (2018年10月11日 0時) (レス) id: dbf84190b2 (このIDを非表示/違反報告)
エンマ - 後、名前出し大丈夫です！(≧∇≦) (2018年10月10日 23時) (レス) id: b6e961ac32 (このIDを非表示/違反報告)
エンマ - はいはーいリクエストお願いします！時空神エンマ、暗黒神エンマ、太陽神エンマが、主人公と、あそぶかという感じで、お願い申し上げます (2018年10月10日 23時) (レス) id: b6e961ac32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アロア | 作成日時：2018年7月10日 22時
