君と見た夕日:: ジバニャン(ライトサイド)◇ ページ26
私が最期に見たのは綺麗な綺麗な赤く燃える夕日でした。
☆★☆
静かな病室で見たのは夕日であった。綺麗な綺麗な夕日。初めて見たときとても感動した。今も脳裏に浮かぶ。あの美しい夕日が。
私は決まった時間になると窓に顔を向ける。それは夕日が見える時間帯。
そのときだったね。君と出会ったのは。
「おい、なに見てるんだニャン？」
「っ！？」
私は驚きのあまり声がでなかった。窓を見つめていたらその窓にいきなり赤い猫が張りついたからである。
しかも喋った。窓は閉めていたのに猫の低い声は聞こえた。
「なにを見つめていたニャン？」
「あ、えと…あの………夕日を眺めていました」
「夕日？」
「はい。ほら」
私はまだ沈んでいない夕日を指さした。赤い猫もそれをじーっと見つめる。
「すごく……綺麗でしょう？美しいでしょう？私はこの時間が好き。だって、この神秘的とも感じる時間は私が病気だということを忘れさせてくれるから」
「お前、病気ニャン？」
私は返事の代わりに頷いた。
「病気、治らないんだって………お医者様に言われちゃった」
赤い猫は興味深そうに私を見た。そして、フッと笑った。
「じゃあ、また会えるニャンね」
「へ？」
「それにしても、確かに言うとおりニャン。ところで、お前の名前は？」
「私？私はA」
「A………また、会えるときがくるはずニャン……」
そう言って赤い猫は黙ってしまった。
私と赤い猫はその夕日を沈むまで見ていた。
夕日が沈み、辺りが暗くなる。
「あ、沈んじゃった」
「こう思うと儚いニャン」
赤い猫は私を見ると「またニャ」と言いいなくなってしまった。
私が最期に会ったのは謎の赤い猫だった。
その赤い猫と最期の夕日を見たんだ。
☆★☆
………私は妖怪になった。
きっとあの日出会った赤い猫は妖怪だったのだと思う。
「今日も綺麗」
「…………オレ様もそう思うニャン」
「………え？」
夕日を見るために立っていたら隣から聞き覚えのある声がした。隣を見ればあの日の赤い猫。
「赤い猫」
「オレ様はジバニャン」
「ジバ……ニャン」
名前を復唱する。なるほど、赤い猫はジバニャンと言ったのか。
「オレ様、お前を見てから……唐突に言うがAが好きになったニャン」
美しい夕日が赤い毛並みを照らす。
「私も好き」
あの日話しかけてくれて気になっていた。
私はジバニャンをキツく抱きしめた。
Fin
クズだけど:: 黒いジバニャン ほのぼの→←幸せ続く:: 青龍(ライトサイド)
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アンデル - センキューです！ (2018年8月9日 21時) (
レス) id: ec2418ce23 (このIDを非表示/違反報告)
アロア(プロフ) - アンデルさん» 編集のボタンを押して、設定マークの左のマークを押すと作品がズラララッとでるので、そこでリンクさせたい作品を選べばリンク完了です(*´ω｀*) (2018年6月15日 23時) (レス) id: dbf84190b2 (このIDを非表示/違反報告)
アンデル - そうそう (2018年6月15日 23時) (レス) id: 72c08365b0 (このIDを非表示/違反報告)
アロア(プロフ) - アンデルさん» あ！前のやつとリンクさせるやり方ってことですか？ (2018年6月14日 16時) (レス) id: dbf84190b2 (このIDを非表示/違反報告)
アロア(プロフ) - アンデルさん» ごめんなさい……私の理解力がなくて理解できませんでしたm(__)m……とにもかくにも一応七つ目はあるので……。 (2018年6月13日 20時) (レス) id: dbf84190b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アロア | 作成日時：2018年5月12日 22時
