感情という絵の具:: 夜行◇ ページ16
絵を描くことが好きだ。でもね、絵ってすごく感情に左右されやすい。
あたしの今の感情は…………。
☆★☆
「私でいいのか?」
「うん。夜行を描きたいの」
夜行の絵を描きたいと頼んだ。そうしたら彼は快く受け入れてくれた。とても嬉しかった。
「じゃあ、そこに座って」
「分かった」
一時間後。
「できた」
出来上がったのは笑っていて見ているこっちも笑顔になれる夜行の絵。
「では、もう行くな」
「ありがとう」
あたしと夜行は昔から知り合いだった。そのときからきっと夜行を描きたいと思っていたんだ。そして今日。念願だったそれが叶ったのだ。嬉しくて嬉しくて舞い上がりそう。
「家宝にしないと」
夜行に引かれたくないため、いなくなったことを確認してから呟いた。
「また、会いたいな」
でも、このとき、夜行と会えなくなるなんて思ってもいなかった。
☆★☆
あたしが妖魔界のお店で買い物しているとき耳にした噂。
『夜行っていう妖怪がムゲン地獄に送られたらしい』
それを聞いた瞬間、あたしの足はエンマ大王様のお屋敷へと走り出していた。
__バンッ!!
「エンマ大王様!!!」
「A?」
実は、あたしはケータという人間の友達のおかげでエンマ大王様と親しくなれたのだ。
「単刀直入に聞きます。なぜ夜行をムゲン地獄に送ったのですか!!?」
「落ちつけA」
「落ちついていられません!」
だって夜行は……夜行は……あたしの大切な人だから。
………大好きな人だから。
「A………」
エンマ大王様が困っている。でも、あたしも気が参っている。
「A。では、私から話そう」
「議長様!」
「夜行は大王様の命を狙いなおかつ私欲のために平和だった妖怪まで巻き込んだ。閻魔の所有物を盗み妖怪を消した罪は重いのだ」
………え?あの夜行が?
確かにエンマ大王様のことをよく思っていないことを聞いたことがある。
「お言葉ですが………夜行はそんなことしないと思います」
「証拠もある。認めたくないのも分かるがそれが事実だ」
「エンマ大王様………本当に命が狙われたのですか……?だから、ムゲン地獄に送ったのですか?」
あたしの問いにエンマ大王様は無言を貫く。
「なにか……なにか言ってくださいよッ!!!」
声を荒げるあたしにエンマ大王様は悲しそうな顔で「ああ」と短く答えた。
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アンデル - センキューです! (2018年8月9日 21時) (レス) id: ec2418ce23 (このIDを非表示/違反報告)
アロア(プロフ) - アンデルさん» 編集のボタンを押して、設定マークの左のマークを押すと作品がズラララッとでるので、そこでリンクさせたい作品を選べばリンク完了です(*´ω`*) (2018年6月15日 23時) (レス) id: dbf84190b2 (このIDを非表示/違反報告)
アンデル - そうそう (2018年6月15日 23時) (レス) id: 72c08365b0 (このIDを非表示/違反報告)
アロア(プロフ) - アンデルさん» あ!前のやつとリンクさせるやり方ってことですか? (2018年6月14日 16時) (レス) id: dbf84190b2 (このIDを非表示/違反報告)
アロア(プロフ) - アンデルさん» ごめんなさい……私の理解力がなくて理解できませんでしたm(__)m……とにもかくにも一応七つ目はあるので……。 (2018年6月13日 20時) (レス) id: dbf84190b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アロア | 作成日時:2018年5月12日 22時