海のカケラ【妖怪ウォッチ】

ぬらり様:: エンマ大王 ページ10

「あ〜ん………ぬらり様ぁ」


「………お前、本当にぬらりが好きなのな」


「はいぃ……だって、カッコいいんですもん」


ウットリとなにか妄想しているA。ちなみに俺のメイドだ。メイド兼彼女。俺というものがありながらぬらりに夢中なのだ。


「チッ……腹立つ」


だって、Aには俺がいるんだぜ！？俺というものがありながらぬらりに浮気かよ。



「Aには俺がいるのに」


「……ん？なにか言った？」


「なんでもねぇよ」


てか、なんでぬらりに夢中なんだよ……。
まぁ、たしかに？たしかにさぁ、ぬらりはイケメンで大人で長身で声もよく気配りもできるまぁ、あれだ、なんでもできる完璧なやつだけどさ……そこまでそんなに夢中になられると…俺……自信なくすじゃねぇか………。


俺はぬらりと違って大人じゃねぇし、身長だって低いしぬらりみたいじゃないけど………。


「Aはぬらりみたいなやつがよかったのか？」


俺じゃ……嫌なのか？


「え？なんで？」


「だって……ぬらりが好きなんだろ？」


「好きだよ？」


＿＿ズキッ


……んだよ俺がいるのに…好きだなんて。


「でもね？エンマに対しての好きとは違うの。まぁ、憧れ？」


「は？」


「あんな人が私の彼氏だったらなぁ〜なんちって」


「………もう、Aなんて知らねぇ」


「あわわわわ！！ごめんなさい！ごめんなさい！本当はぬらり様よりエンマの方がもっともーっと好きなの！大好きなの！愛してるの！」


「っ……///」


………クソッ……調子狂うじゃねぇか。なんだよ、どういう意味だよ。……Aは俺の方が好きってことか？


「……そうやって、ヤキモチやいてくれる可愛いエンマが大好き」


「可愛いは……余計だろ//」


「あはは！照れてる照れてるぅ！」


「……チッ///」


「もーう、素直じゃないなぁ」



いつもこうだ。俺は余裕がないのにAはある。まだ、俺はガキなのか？俺がガキだからぬらりみたいな大人に憧れを抱くのか？


「A、俺がぬらりみたいだったら嬉しいか？」


「そうだね」


「………そうか……」


傷ついた。Aならそんなことないって言ってくれると思ったのに。


「私はエンマならなんでもいいんだよ。今のエンマでも大好き！！それにぬらりみたいになられたら私が主導権握れないから嫌」


「そっか！」


A、俺はいつかガキだと思われねぇように成長する。そのときは俺が主導権を握るから。

見ておけよ、A。

Fin

結婚してから:: オロチ→←青春:: 蛇王カイラ

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