最初の一歩:: 時空神エンマ ページ45
私はこわい。
人と話すのがこわい。
一緒にいるのがこわかった。
けど、妖怪のあなたなら………。
☆★☆
私は昔から引っ込み思案でポジティブというよりネガティブで、暗くてとりあえず部屋の隅でコソコソしているタイプだ。
理由はもちろんある。
人間の裏側が分かるからだ。
そういう小学校、中学校で生きてきたため、もちろん高校でも人を信じるということができなかった。今でも人を信じるということができない。
でも、こんな私でも変われるようなキッカケができた。それは彼との出会いだ。
今日も彼と会う約束をしている。
もうすぐ時間だ。
周りが寝静まった頃彼は現れる。
「A!」
ほら、今日も来てくれた。
「時空神君」
「待ったか?」
「全然。今来たところだよ」
彼は自らを妖怪だと言う。時空神エンマ。神とつくからには妖怪の中では強いのだろうか。
私にはよく分からないが。
「今日の土産話はな〜………」
時空神君はいろいろなことを話してくれる。彼の話を聞いていると彼と同じような妖怪は他にもいることが分かった。
私は思う。
彼なら……時空神君なら信じてもいいんじゃないかって。
裏があるようには思えない。
それに私がこわがる『人間』じゃない。
『妖怪』なのだ。
「………ふふっ」
「!どうしたんだ?てか!やっと笑ってくれたな」
「え?」
「お前の笑ってるところ見たことがなかったから俺の話がつまらないかと思ってた。でも、今お前の笑ってる顔を見て安心した………Aは笑った顔も可愛いな!!」
ニカッと笑った時空神君に私の胸が高鳴るのが分かった。
「Aは人間のこと、どう思う?」
「………知らない。どうでもいいよ…それより時空神君のこと話してよ」
「俺は………!Aの思ってる人間もいると思ってる。でもな、違う人間もいると思うんだ
私、人が苦手なこと話したことないのに知ってるの?
「Aは人間が苦手だろ?じゃあ、まず始めに俺という『妖怪』で慣れてみろよ」
「人間と妖怪は違う」
「…一緒だ。人間と妖怪は切っても切れない縁で繋がってる。人間も妖怪も結局は同じなんだ」
「時空神君が言うなら……」
「これがAにとって最初の一歩だ!あ、なんなら周りの時間を止めて俺ら二人で楽しく過ごすってのもありだけどな」
彼の発言に頬が緩む。
私にとって最初の一歩。
そのキッカケを与えたのが君なんだ。
Fin
リクありがとうございました!
愛を伝える:: ぬらりひょん→←達人にはご用心:: 犬まろ、猫きよ
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縁儺 - ダレノモノ?でちょっとヤンデレイラストを思い付いた…(コロナ中の癖に) (2022年9月6日 8時) (レス) @page40 id: a1a94a6f52 (このIDを非表示/違反報告)
アンデル - ありがとうございます! (2018年5月19日 16時) (レス) id: 72c08365b0 (このIDを非表示/違反報告)
アロア(プロフ) - アンデルさん» 分かりました!続編の方で書かせていただきますね! (2018年5月18日 20時) (レス) id: dbf84190b2 (このIDを非表示/違反報告)
アンデル - リクエストでミッチーのヤンデレお願いします! (2018年5月18日 20時) (レス) id: 72c08365b0 (このIDを非表示/違反報告)
アロア(プロフ) - 狼の歌姫さん» 了解です!! (2018年5月11日 20時) (レス) id: dbf84190b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アロア | 作成日時:2018年4月6日 14時