さようなら、密かな想い:: オロチ△ ページ24
私には想い人がいた。だが、その女は土蜘蛛殿のことが好きだった。当然、私の想いは報われるわけない。でも、密かに想い続けそして幸せを願っている。
☆★☆
「オロチー」
「ん?」
「オロチに言われた通りにさりげなく土蜘蛛様をデートに誘ったけど断られちゃったよ……」
私の想い人、Aは今にも泣きそうな顔で言う。
「そうか」
本当は土蜘蛛殿ではなく私をみてほしい。しかし、この関係が壊れるのがこわくて言い出せない。聞きたくもない恋愛相談にのる始末だ。
「私ってやっぱり魅力がないのかな……」
だんだん消え入りそうな声になっていく。
「そんなことはない!Aはとても魅力的な女だ!!」
「……オロチ……!」
いっそこのまま私を見てくれないか。
「つ、土蜘蛛殿は不器用だからきっとAのことは好きだと思うぞ」
………なにを言っているんだか。だが、元気づけるためにはこうするしかないのだ。
「でも、私はえんらえんらと違って色気ないし」
「好きな女にそんなものは関係ないだろう?」
「……そうかな……」
「そうだ……」
「………ありがとう!オロチ」
「私は感謝されることなどしていない……」
「いつも相談にのってくれて。嬉しいよ!またお話ししようね?」
「ああ」
Aが自室に戻ったあと、私は土蜘蛛殿のところへ向かった。
「土蜘蛛殿」
「オロチか。入れ」
中に入り深呼吸をする。
「土蜘蛛殿、Aのことはどう思っていますか?」
「どうした突然」
「いえ……」
言葉こそ冷静だが、土蜘蛛殿の顔は耳まで赤くなっていた。
ああ、そうか。
土蜘蛛殿もAのことが好きなのだ。なんだ、二人は両思いではないか。ならば、私がAの背中を押すだけ。それだけで二人はくっつく。
「……失礼しました」
☆★☆
「A、いるか?」
「オロチ?どうしたの?」
次の日の朝、私はAを訪ねた。
「唐突だが………A。土蜘蛛殿に告白したらどうだ?」
「え……」
「上手くは言えないがきっと二人は結ばれる」
「で、でも」
「大丈夫だ」
「オロチがそこまでいうなら……頑張る!」
「ああ」
本当にこれでいいのか?ここで止めないと本当にくっついてしまう。フラれてしまえばいい。その可能性はゼロだが。
「A!!」
私は………私は!!
「………頑張れよ」
「うん!大好きだよ!」
大好き……その言葉は私の胸を締め付けた。
Fin
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アロア(プロフ) - 愛鬼さん» 大丈夫ですよ〜♪♪更新は人それぞれのスピードですから(*^▽^*) (2018年6月9日 13時) (レス) id: dbf84190b2 (このIDを非表示/違反報告)
愛鬼 - 最近サボってごめんなさい。 (2018年6月9日 12時) (レス) id: 5abad0e674 (このIDを非表示/違反報告)
アロア(プロフ) - 狼の歌姫さん» 五月ですね!ありがとうございます!! (2018年4月6日 21時) (レス) id: dbf84190b2 (このIDを非表示/違反報告)
狼の歌姫(プロフ) - 大丈夫です。頑張ってください。 (2018年4月6日 21時) (レス) id: aaa26940b9 (このIDを非表示/違反報告)
アロア(プロフ) - 狼の歌姫さん» 分かりました(*^▽^*)質問いいですか?四月の月イベではなく五月ですよね……?すみません!理解力がなくて!! (2018年4月6日 21時) (レス) id: dbf84190b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アロア | 作成日時:2018年1月2日 16時