声などなくとも:: 蛇王カイラ△ ページ11
投げられた私はベッドがふかふかだったおかげでそこまで痛くなかった。けれど、カイラの目がこわかった。殺気がでている気がする。
「また、エンマと……貴様はいつもそうだった！私のことを知らずエンマ、エンマと！！」
「待って！？私はあなたのこと知らない……」
カイラは本当に私を殺す勢いで首を掴んできた。
「ぐっ……！」
「少し……痛い思いをしないと分からないみたいだな。私のことを知らない？……まぁ、いいだろう。これから覚えていけばいい。だが、二度とエンマと言えないようにしてやる！」
「く……る…はな……し」
「……これを飲め」
言うことを聞かなかったら殺される。きっと、こいつにエンマ君もなにかされる……もしかしたらもうされているかもしれない。
私はエンマ君を失いたくなくて言うことをきくことにした。
「分かった」
これはカイラの脅しだ。別にこれからもずっとエンマ君の名前は呼べる。
そう思っていた私はとても浅はかだった。
「一気に飲んだ方がいいだろう」
渡された瓶の中には気味の悪い色をした液体が入っている。
「……ん」
ゴクゴクと言われた通り一気に全部飲んだ。
その直後、喉が焼けるような痛みに襲われた。
「っ！！？…い！！」
苦しくて、でも、どうしようも出来なくて。助けを求めたくても出来ない。
痛みに耐えながら少しだけ見えたカイラの顔。それは喜びに満ちた顔だった。口角が上がっていて喉を鳴らして笑っていた。
私はどうしようも出来ずこのまま死んでしまうのではないかと思った。痛みに耐えられず意識がとびそうで…。
「も、……だ」
☆★☆
……朝日かなにかか。明るいなにかが近くにあることが分かった。それで、さっきのは夢だったんだとホッとして今日もエンマ君の好きなおかずを作って弁当を作ろうと思い目を開け起きると夢と同じ光景だった。
しかし、違うのはカイラがいたこと。
「……！」
そして、気づいてしまった。自分の声が出なくなっていることを。
「起きたか？A」
軽々しく名前を呼ぶなと言いたかったのに言えない。これではもう大好きなエンマ君の名前も呼べない。
それが辛くて悲しくてポタポタとあたたかいものが落ちてきた。
「改めて……私のことも名前は呼べないだろうが筆談は出来るだろう。カイラと書けばいい。だが気をつけた方がいいことがある」
カイラが私を見つめる。私は蛇に睨まれた蛙のようになっていた。
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アロア(プロフ) - 愛鬼さん» 大丈夫ですよ〜♪♪更新は人それぞれのスピードですから(*^▽^*) (2018年6月9日 13時) (
レス) id: dbf84190b2 (このIDを非表示/違反報告)
愛鬼 - 最近サボってごめんなさい。 (2018年6月9日 12時) (レス) id: 5abad0e674 (このIDを非表示/違反報告)
アロア(プロフ) - 狼の歌姫さん» 五月ですね！ありがとうございます！！ (2018年4月6日 21時) (レス) id: dbf84190b2 (このIDを非表示/違反報告)
狼の歌姫(プロフ) - 大丈夫です。頑張ってください。 (2018年4月6日 21時) (レス) id: aaa26940b9 (このIDを非表示/違反報告)
アロア(プロフ) - 狼の歌姫さん» 分かりました(*^▽^*)質問いいですか？四月の月イベではなく五月ですよね……？すみません！理解力がなくて！！ (2018年4月6日 21時) (レス) id: dbf84190b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アロア | 作成日時：2018年1月2日 16時
