雪どけ:: ふぶき姫(シャドウサイド)◇ 孤海夜 紅萌様からのリクエスト ページ16
雪はとけ、春が芽吹く。
☆★☆
私の友達のふぶき姫。どうしてそんなに悲しそうなの?
「Aが氷は苦手だと聞いたわ。雪女は嫌いでしょう?」
「ど、どうしたの?突然………」
確かに彼女は絶対零度の氷を発生させ敵を一瞬で凍りつかせることができるほどの力の持ち主だ。そして、私は氷は苦手……というか冷たいのが苦手だが、それが嫌いに繋がるのはおかしい。
「私といるのは嫌よね………」
目に美しいキラキラとした涙を浮かべ、ふぶき姫はその場からいなくなってしまった。
「ふぶき姫…………」
待ってよ。待って………私から離れないで。いなくならないで………。
胸がきゅうきゅうと締め付けられて苦しい。
彼女が苦手だなんて一言も口にしていない。雪は冷たいけれど、彼女はとてもあたたかい。
「違うの………違うのふぶき姫。追いかけなきゃ」
どこかに行ってしまったふぶき姫を見つけて和解しないと!このままなんて絶対嫌だ。
彼女が行きそうなところを思い浮かべるが、思い浮かんだ場所はどこも私が苦手なところ。
「………あ!」
しかし、一つだけあたたかい場所を思いついた。気候的にもあたたかいけれど、心もポカポカしたあの場所。
そこにふぶき姫がいると信じてその場所へと向かった。
「いるはず。ふぶき姫は絶対そこにいる」
だって、思い出の場所だから。
☆★☆
辺り一面に色とりどりの花が咲いている。
美しいその花の絨毯に、氷の姫様がそこに座り込んでいた。
彼女が一輪花をとるが、その花は瞬く間に凍ってしまう。
「ふぶき姫?」
話しかけると、はぁー。と冷たいため息をつかれた。
「やっぱり私はなにもかも凍らせてしまう」
………涙が頬に線を描きながら落ちていく。
「泣かないで……ふぶき姫。お願い私の話を聞いて」
ふぶき姫の肩に手を置き、彼女の背をあやすように撫でる。
「確かに私は冷たいのが苦手だし嫌い。でも、ふぶき姫は好きなの。ふぶき姫は冷たくても心があたたかい。私はそこに惹かれてるの。見て?氷の花だって綺麗だよ」
「A……!」
ふぶき姫が私にギュッと抱きついてきた。私は微笑み、そっと彼女の背中に腕を回す。
「ごめんね……私が勝手に……」
「大丈夫………また私と仲良くしてくれる?」
「当たり前よ」
ふわりと笑うふぶき姫。私もつられて笑う。
ほらそこには…………きっと春が芽吹いている。
Fin
リクエストありがとうございました♪
この身は:: 洞潔★★ ☆Yume☆様からのリクエスト→←恥ずかしがり屋な君へ:: ミッチー 椿様からのリクエスト
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アロア(プロフ) - ベルナデッタさん» こちらこそリクエストありがとうございました!はい!頑張ります(*≧∀≦*) (2019年7月29日 7時) (レス) id: dbf84190b2 (このIDを非表示/違反報告)
ベルナデッタ(プロフ) - アロアさん» リクありがとうございます!トウマ&ハルヤの取り合いとヤンデレハルヤ最高でした!!これからも頑張ってください!! (2019年7月29日 1時) (レス) id: d89a449142 (このIDを非表示/違反報告)
アロア(プロフ) - 床に寝転ぶ猫さん» 初めまして!!わぁぁぁ!ありがとうございます!!(*^▽^*)リクエスト了解しました〜♪♪ (2019年7月26日 20時) (レス) id: dbf84190b2 (このIDを非表示/違反報告)
床に寝転ぶ猫 - 初めまして!何時も楽しく拝見させていただいております!リクエストなのですが洞潔または島之内先生の★★お願いしますm(_ _)mたくさんリクエストあると思うので大変かと思いますがお願いしますm(_ _)m (2019年7月26日 15時) (レス) id: 52e5b5915e (このIDを非表示/違反報告)
アロア(プロフ) - りーあさん» 分かりました(*´∇`*) (2019年7月21日 17時) (レス) id: dbf84190b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アロア | 作成日時:2019年2月16日 16時