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空十四日目 ページ14

びっくりして振り返ると、そこには車椅子に乗った一人の女性がいた。


細くて色が白く、薄茶色の髪の毛はふわっと緩くカールしている。


心なしか瞼は腫れぼったい気もするが、綺麗な人だった。


綺麗な人だった。けど。


「……貴方、誰ですか」


わたしはその人に見覚えがなかった。


「あ、ごめんね。わたしのこと、知らないよね」


彼女は少し目を細めてぎこちなく笑うと、滑らかな頬に長い睫毛の影を落とした。


「でも、この人のことは知ってるんじゃないかな?」


女性は華奢な肩に掛けているショルダーバッグから、一枚の写真を取り出す。


「!!」


それは間違いなく、"近所のお姉さん"だった。


ピースをする長い指も、さらりと風に靡く艶やかな黒髪も。


全部全部、わたしの知っているそのままの姿だ。


「でも、何で貴方がこれを?」


眉を寄せて尋ねると、彼女はくすりと笑った。


「実はわたし、この人のお友達なの」


この人の、お友達。


目の前に立っている彼女が嘘をついているようには見えない。


「じゃ、じゃあその人は今どこに……!?」


ずいっと詰め寄ると、軽く目を伏せる。


「_死んじゃったの、彼女」


きゅ、とその人が唇を噛む。


わたしはそれどころじゃなくて、とにかく聞きたいことが多すぎて。


なんだか眩暈がして……そのまま。


「ちょっと!?」


視界が暗転する中、取り乱した女性の声だけが妙に響いて聞こえた。

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ねこる。 - えるさん» コメントありがとうございます!わたしの小説で心が透明になるだなんて嬉しい限りです…。もっと色々な表現ができるよう頑張ります! (2021年10月26日 7時) (レス) id: b433a40741 (このIDを非表示/違反報告)
ねこる。 - まめふなさん» ありがとうございます!レス遅れてすみません…。お話素敵って言ってもらえて嬉しいです!頑張ってラストまで書きます! (2021年10月26日 7時) (レス) id: b433a40741 (このIDを非表示/違反報告)
える - なんか単純に綺麗って言葉が出てきました。空の美しい描写、主人公さんたちの感情表現の書き方が綺麗だと思いました。このお話を読んでる間は心が透明になってる感じでした。作者様の書き方尊敬致します。 (2021年10月17日 7時) (レス) @page27 id: cbb903ca6b (このIDを非表示/違反報告)
ねこる。 - 丙ののののさん» コメントありがとうございます!空の描写はめちゃめちゃ時間かけたので、そう言ってもらえると嬉しいです…。今後も感激してもらえるよう頑張ります! (2021年8月16日 8時) (レス) id: 035a026afe (このIDを非表示/違反報告)
丙のののの(プロフ) - 1話目を読み終えたところなのですが…これは…空の描写が美しすぎますね…!くどくないのに美しい情景が伝わる描写…占ツクで初めて見つけました。感激! (2021年8月15日 22時) (レス) id: 4482ed7f20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねこる。 | 作成日時:2020年6月5日 8時

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