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アスノヨゾラ哨戒班 1話 ページ47

僕は臆病者だった

小さい頃から何をすることも無く、ただ日々を適当に過ごしていた

ゲームでもなんでも勝負するのは勝てると思った相手で

夢なんて持たずに、成り行きに任せっきりの人生を歩んでいた

長いものに巻かれて過ごす日々だった



そのくせ未来が怖くて

このまま明日が来なければいいのになんて願うほど



僕は臆病者だった





もちろんそんなこと願ったって明日は必ず来る


いつも通りを繰り返す日々だった



でも、ある日は違ったんだ


八方美人で心から笑い合える友達なんてできないって、そう思ってた



家から少し行ったところにある公園

人通りが少ない涼しいこの場所は、僕のお気に入りだった

一人になりたい時に来るには最高の、静かな場所



ある日そこに、一人の先客がいた

しかも同い年くらい

夜のこの公園に同い年くらいの人がいるのを見たのは初めてだった



別に僕は気にすることも無くベンチに座っていつも通りぼーっと星を見ていた





少し時間がたった時、足音がした


後ろを振り返ってみると、彼女は微笑みながら立っていた


「ここはいいとこですね」


話しかけられた

驚いた


そして少し迷惑だと思った


一人になるためにここに来ているのに、話しかけてくるなんて






君への第一印象は〈変な人〉だった


これが、僕と君が初めてであった時だった









あの日から彼女は毎回あの場所にいた


「君と友達になりたいな」
「君の名前はなんていうの?」
「どうしたの?…なんかあった…?」


毎回話しかけてくる彼女

僕は無視するのも億劫になって彼女と話をするようになった



いざ話してみると意外に話しやすくて

いつの間にか彼女とは親友ともいえるような仲になっていた


時間こそ少なかったけど、僕の1番の理解者は彼女だという自信があった



話に耳を傾けてくれて、踏み込んで欲しくないところにはそっとして置いてくれるような

僕があってきた誰よりも本音で話せる相手だった



彼女とあってから時が動き出したようで


なんだかモノクロだった世界が色付いて見えた


「また明日の夜ね」


そう言って笑いあった僕らは


いつか見た夢みたいだった

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レイン - ありがとうございます!楽しみにしています! (2019年8月15日 0時) (レス) id: cde8b1371d (このIDを非表示/違反報告)
だいだらぼっち(プロフ) - レインさん» 了解しました!多分続編で書かせて頂くことになると思いますが、気長にお待ちください! (2019年8月13日 11時) (レス) id: 9c79bb32af (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 「闇色アリス」と「十三番目の黙示録」をお願いします (2019年8月13日 11時) (レス) id: cde8b1371d (このIDを非表示/違反報告)
だいだらぼっち(プロフ) - モモンガさん» リクエストありがとうございます!「アスノヨゾラ哨戒班」ですね!了解しました! (2019年8月13日 9時) (レス) id: 9c79bb32af (このIDを非表示/違反報告)
だいだらぼっち(プロフ) - レインさん» あと魔女の物語はこれで終わりです!中途半端で申し訳ない!あと朝は間違ってレインさんに返信してしまいすみませんでした!消しとくんで見て見ぬふりお願いします(´>∀<`;) (2019年8月13日 9時) (レス) id: 9c79bb32af (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:だいだらぼっち | 作成日時:2018年6月13日 17時

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