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恋愛裁判 1話 ページ37

「待ってくれ、聞いてくれよ」

青年は縋るように言った。

青年の前には不機嫌そうに口元を歪めた女性がたっている。

「ちょっと魔が差したんだ」
「僕は君だけが全てさ」

許しを乞う青年に向けられた目はとても冷えていた

彼は罪を犯した。所謂"浮気"である。

彼女は彼が女癖の悪いことを付き合う前から知っていた。

それでも、彼は今の今まで彼女だけを愛していた。


彼女は嘘が嫌いだった。

彼はそんな彼女を裏切った。



…あぁ、どうしよう

どれだけ言い訳をしても、許しを乞うても、帰ってくるのは冷たい目線だけだった



最近少し、マンネリを感じていた。

付き合っている男女が必ずといっていいほどぶち当たる壁で、元々我慢が苦手な彼は手を染めてしまった

反省もしてるし、後悔もしてる

だからこうして彼女に謝っている

でも、今更何かに懺悔したところで罪を犯したことには変わらない



昔付き合ってきた女性にはバレなかったのに…なんて考えて、自分の性根の悪さを再認識した。

君だけは、僕のこと見てくれてる…

でもヤバい…どうしようという考えが頭を占めて嬉しさなんてなくなった


こんな小手先の手品じゃだめだ。いや、浮気という行為自体がダメなんだけど…


僕が言う言葉を静かに聞いて、質問を返してくる君

そう、それは裁判と言うに相応しいと思った

こんな場面でそんな考えにたどり着く自分に嫌気がさすけど、本当に彼女は裁判官みたいだった

公平で…的確で…



質問に答えを返して、許してと縋る


それでも淡々と言う彼女に、怒ってるんだと思った


彼女とまだずっと居たかった

愚かな行為を許して欲しいなんて言わないから、まだ一緒に…まだ付き合っていたかった


「まだ…一緒に…!」

涙が頬を伝う

かっこ悪いって思われても仕方ない




少しの沈黙の後に君から告げられた

「…許さない…から…」

僕は『有罪』

恋愛裁判 2話→←3話



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レイン - ありがとうございます!楽しみにしています! (2019年8月15日 0時) (レス) id: cde8b1371d (このIDを非表示/違反報告)
だいだらぼっち(プロフ) - レインさん» 了解しました!多分続編で書かせて頂くことになると思いますが、気長にお待ちください! (2019年8月13日 11時) (レス) id: 9c79bb32af (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 「闇色アリス」と「十三番目の黙示録」をお願いします (2019年8月13日 11時) (レス) id: cde8b1371d (このIDを非表示/違反報告)
だいだらぼっち(プロフ) - モモンガさん» リクエストありがとうございます!「アスノヨゾラ哨戒班」ですね!了解しました! (2019年8月13日 9時) (レス) id: 9c79bb32af (このIDを非表示/違反報告)
だいだらぼっち(プロフ) - レインさん» あと魔女の物語はこれで終わりです!中途半端で申し訳ない!あと朝は間違ってレインさんに返信してしまいすみませんでした!消しとくんで見て見ぬふりお願いします(´>∀<`;) (2019年8月13日 9時) (レス) id: 9c79bb32af (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:だいだらぼっち | 作成日時:2018年6月13日 17時

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