ボカロ好きのボカロ好きの為のボーカロイド短編集【リク募集中】

Twilight ∞ nighT １話 ページ20

ーどうしたら家に

ー帰れるのかな？

ー拍車が止むまで帰れない



村娘が一人、不気味な森に迷い込んだ。
ぽつんと佇む館の扉を叩いた

村娘「誰か…、誰かいませんかッ？」

重たい扉がひとりでに動く

執事「こんな夜更けにお一人ですか？」

出てきたのは執事らしき男性だった
どこか懐かしいその雰囲気に村娘は疑うことなく館に入っていった


よそ者の村娘を快く迎えてくれる住人達

主人「こうして会うのも何かの縁だ」

彼らは村娘の為に宴を開いてくれるようだ

大きな部屋でメイドが慌ててワインをついだ
食事も豪華でアンティーク調のお皿に盛り付けられていた


舞台セットから衣装メイクまでそっくりそのまま台本通り
…台本通りじゃなくなれば、この舞台は成立しなくなってしまう

ここでは村娘だけが異質だった。台本の存在は知らないようだった

それでも住人達は当然のように立ち回る


宴を開きワインで乾杯したら

楽しい宴の始まりだ


瞬きひとつため息ひとつ足音ひとつ間違えられない
どんな作法も全て台本通りに

全ては望むENDに、
完璧なENDに、
この舞台を創り出すため


あのENDもそのENDも気に入らなかった
望むENDは一体いつ来るのやら


ずっとずっと繰り返される舞台は、まだ終わりの見えないものだ

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