面影 ページ41
【Aside】
『ありがと、送ってくれて。』
亜嵐「んーん全然。
疲れたでしょ。ごめんな歩かせて。」
『あたしは大丈夫だよ。
こちらこそごめんね、亜嵐くん今からまた家まで帰らないといけないのに。』
亜嵐「俺はいいんだよ、明日仕事じゃないしさ。」
笑いながらあたしの頭をくしゃってして
「おやすみ。」ってあたしのことぎゅってする。
ほんと優しいな亜嵐くん。
ばいばいって手を振りながら
家の玄関のドアが閉まった。
亜嵐くんの匂いに包まれる瞬間が、すき。
でも最近ずっと
そこに灰色な気持ちが混ざってる。
幸せ、すき、あったかい気持ち
その中にもやもやしてる
ごめんねと罪悪感。
日に日に募るその気持ちの正体に
気付かされそうになっては目を逸らす。
ふるふるっと頭をふって、玄関の鍵を閉めた。
『…考えちゃだめ。考えちゃだめ。』
明日の準備しなきゃ。
仕事もあるし、
そのあとサヨさんと2人だけで送別会しようってことになってる。
振り返ると、
久々の我が家。
亜嵐くんがずっと引っ張ってくれてたキャリーをなんとか運び入れて、リビングの電気をつけた。
『ふぅ。ただいまー…。』
とりあえず荷物置いて…
たくさん歩いたから喉乾いちゃったな。
なんか飲もうって冷蔵庫開けるけど空っぽ。
そりゃそーだ。
ずっと亜嵐くんちにいたんだから。
新品のペットボトルあったかな。
そう思いながら冷蔵庫の違う段を開ける。
『…あ。』
目に飛び込んできた、まだ開けてないコーラのペットボトル。
…ばか、あたし。
ここに冷やしてるの忘れて、今見ちゃうなんて。
頭にその人の顔が浮かんでしまう前に
コーラから目を背けて冷蔵庫を閉めた。
けどね。
やっぱりもうダメみたい。
だって、
ふらふらとリビングに戻ると
次に視界に飛び込んできたのはソファ。
ああ、だめだ。
ネジが緩んだように溢れ出した大粒の涙が
ポロポロと頬を伝う間もなく落ちていく。
だってそこは
いちばん2人で一緒に過ごした場所だから。
最初に後ろから抱きしめられた時も
会いに行っていい？って、夜に突然来た時も
2人でお茶しながらお喋りした時も
Aちゃん寝ちゃったから帰れなかったじゃんってソファで丸まって寝てた時も。
ほんと、ばか。
コーラだって冷蔵庫に三本も冷やしちゃって。
…どれだけ来るの楽しみにしてたの。
.
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りな(プロフ) - はじめまして！久々にすごく引き込まれるお話です！玲於くんと彼女さん、亜嵐くんがどんな答えを出すのかドキドキしてます。更新楽しみにしてます(^^) (2018年6月5日 2時) (
レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
くる(プロフ) - ぴなたまごさんこんにちは！久しぶりに更新されてほんとに嬉しいです（ ; ; ）ぴなたまごさんの作品全作読ませていただいているのですが玲於くんファンってこともあって全部好きです！！このお話も大好きなのでこれからも更新たのしみにしてます！頑張ってください！ (2018年6月3日 10時) (レス) id: b57c603971 (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - やっぱりすごいです、お話に引き込まれます。更新…！嬉しいです。また続きを楽しみに待たせていただきます！ (2018年6月1日 20時) (レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)
reona(プロフ) - 更新されてないみたいですが、何かあったのでしょうか？更新楽しみにしてます！ (2017年11月13日 2時) (レス) id: a813d90c31 (このIDを非表示/違反報告)
ももぷりん(プロフ) - 会いに来てください〜！うぇるかむです！大好きですこのお話（ ; ; ）更新来るたび飛び跳ねてます！ぴなたまごさんのお話全作好きです、玲於くんと結ばれたらいいなあ、、 更新楽しみにしてます！がんばってください ！ (2017年8月26日 23時) (レス) id: b57c603971 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴなたまご | 作成日時：2017年8月19日 15時
