遠ざかる背中 ページ5
【Aside】
『えっ、メイって彼氏いるの？！』
佐野くんと並んで歩く帰り道。
「なんで知らないの」って
見せてくれたのはメイのSNSが表示された画面。
そこには、男の人と2人で肩寄せ合ってるメイの2ショット写真が何枚も。
『…ほんとだ。』
玲於「同じ会社の先輩だって。
海外赴任中で遠距離みたいだけど。
インスタとか見ないの？」
『機械に疎くて…。』
玲於「機械って(笑)昭和かよ。」
あ、また笑った。
なんだか今日、よく笑ってくれるな。
じって見てたら、あたしの視線に気づいたみたいで
「なに」って不思議そうな顔してる。
『もっと笑ってくれたらいいのに。
あたし、佐野くんの笑った顔すきだよ。』
そう言ったら、
ぴくって固まって佐野くんが立ち止まる。
玲於「…ばっかじゃないの。」
また歩き出したと思ったら、
今度はすごく早歩き…。
『さ、佐野くん？』
怒らせちゃったかな、って慌てて追いついて顔覗き込むと
夜道でもわかるくらい真っ赤にさせた顔、手で隠してる。
…だから
そういう顔はずるいってば。
『けどびっくり。てっきりメイって佐野くんのことまだ好きなのかと思ってたのに。』
玲於「なんでそーなんの。」
『だって車の中で、』
そこまで言いかけて慌てて口をつぐむ。
やばい。
寝たふりしてたんだった、あたし。
玲於「…あーそういうこと。起きてたんじゃん。」
『や、ちが、えっとその、』
玲於「タヌキ寝入り。」
『…ごめん。』
玲於「いーけど別に。メイのあれはそういう意味じゃないと思うよ。」
うん、って頷く。
いつの間にか佐野くんが、あたしと同じペースまで歩くスピード落としてくれてて。
優しいんだな。
ぶっきらぼうで、無愛想で口悪いけど
ほんとは繊細で
誰よりも信念の強い人。
〜♪
バックの中から聞こえる着信音。
スマホを取り出すと、
着信：亜嵐くん
…あ。
玲於「出れば？」
佐野くんを見上げる。
さっきまでの柔らかい表情と打って変わって
少しだけ、冷たい表情。
玲於「家、もうこの先でしょ。じゃあね。」
『あ、うん。送ってくれてありがとう。』
玲於「ん。」
身を翻すと、
そのまま振り返らずに来た道を戻っていく。
その後ろ姿は
少しだけ縮まった距離を
また遠ざけるように素っ気なくて。
1度も振り返ることはなかった。
.
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りな(プロフ) - はじめまして！久々にすごく引き込まれるお話です！玲於くんと彼女さん、亜嵐くんがどんな答えを出すのかドキドキしてます。更新楽しみにしてます(^^) (2018年6月5日 2時) (
レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
くる(プロフ) - ぴなたまごさんこんにちは！久しぶりに更新されてほんとに嬉しいです（ ; ; ）ぴなたまごさんの作品全作読ませていただいているのですが玲於くんファンってこともあって全部好きです！！このお話も大好きなのでこれからも更新たのしみにしてます！頑張ってください！ (2018年6月3日 10時) (レス) id: b57c603971 (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - やっぱりすごいです、お話に引き込まれます。更新…！嬉しいです。また続きを楽しみに待たせていただきます！ (2018年6月1日 20時) (レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)
reona(プロフ) - 更新されてないみたいですが、何かあったのでしょうか？更新楽しみにしてます！ (2017年11月13日 2時) (レス) id: a813d90c31 (このIDを非表示/違反報告)
ももぷりん(プロフ) - 会いに来てください〜！うぇるかむです！大好きですこのお話（ ; ; ）更新来るたび飛び跳ねてます！ぴなたまごさんのお話全作好きです、玲於くんと結ばれたらいいなあ、、 更新楽しみにしてます！がんばってください ！ (2017年8月26日 23時) (レス) id: b57c603971 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴなたまご | 作成日時：2017年8月19日 15時
