ごめんな。 ページ40
【亜嵐side】
亜嵐「会社、今月までだっけ？」
『うん。
でも退職したあとが大変かも。準備とか、友達とお別れ会とか。』
亜嵐「あー送別会系ね。
俺もちょー大変だった。
会社だけでも何回もしてくれんだもん。同じ課とか、同期とか、仲良いヤツらだけとか。
嬉しいけど毎日くたくた。」
『ふふ。毎日二日酔いだったもんね。』
亜嵐「そーそー。
Aはメイちゃんにも会うんでしょ？」
『うん。』
亜嵐「会ったら俺からもお礼言っといてよ。俺は会えずじまいだからさ。」
『うん』って言って
少し間があってから『亜嵐くんは、』ってAが遠慮がちに口を開いた。
『最後に佐野くんに会った？』
Aの口から出てくると思ってなかった名前。
一瞬ちょっと考えて「ああ、」ってなった。
亜嵐「や、それがさー。
連絡したんだけど繋がんなかったんだよね。
結局玲於にも会わないままだなー。」
『そっか。』
短くそう答えただけのA。
いつもと違う雰囲気を感じて
チラっと横目で見ると
少しだけ眉毛を下げて
ぼーっと斜め下を見ながら黙々と歩いてる。
ああ、またこの目。
最近、Aがふいに見せるこの表情。
一緒にいるのに、
急にどっか遠くを見たままぼーっとしてたり
さっきみたいにスマホ握りしめて画面見ながらため息ついてみたり。
最初は
やっぱ日本を離れるのが寂しいんだろーなって思ってた。
海外に住むのも、やっぱ不安だろーし。
でも なんか違うんじゃねーかなって。
寂しそうな、哀しそうな
なにかを諦めたような目。
何かを恋しそうに想う目。
俺がさ、察しないわけないじゃん。
こんなに頭ん中Aでいっぱいでさ、
中学生の初恋かよってくらい
Aのことマジで大好きなんだよ。
Aがこんなんなってる原因にも
心当たりがないわけじゃない。
でも…
亜嵐「A。」
『ん？』
亜嵐「楽しい毎日にしよーな。」
「てか俺が楽しくするし」って言ったら
いつもみたいに笑って
でも少しだけやっぱり悲しそうで
『ありがとう。』
キャリーを引っ張る手と反対側の手で
Aの右手を、繋いだら
Aも同じようにぎゅっと握り返してくれた。
ごめんな。
ズルいかもしんないけど
気づかないふりさせて。
時間がたてば
きっとそのAが抱えてる気持ちも薄れて、
忘れていくと思うから。
.
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りな(プロフ) - はじめまして！久々にすごく引き込まれるお話です！玲於くんと彼女さん、亜嵐くんがどんな答えを出すのかドキドキしてます。更新楽しみにしてます(^^) (2018年6月5日 2時) (
レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
くる(プロフ) - ぴなたまごさんこんにちは！久しぶりに更新されてほんとに嬉しいです（ ; ; ）ぴなたまごさんの作品全作読ませていただいているのですが玲於くんファンってこともあって全部好きです！！このお話も大好きなのでこれからも更新たのしみにしてます！頑張ってください！ (2018年6月3日 10時) (レス) id: b57c603971 (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - やっぱりすごいです、お話に引き込まれます。更新…！嬉しいです。また続きを楽しみに待たせていただきます！ (2018年6月1日 20時) (レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)
reona(プロフ) - 更新されてないみたいですが、何かあったのでしょうか？更新楽しみにしてます！ (2017年11月13日 2時) (レス) id: a813d90c31 (このIDを非表示/違反報告)
ももぷりん(プロフ) - 会いに来てください〜！うぇるかむです！大好きですこのお話（ ; ; ）更新来るたび飛び跳ねてます！ぴなたまごさんのお話全作好きです、玲於くんと結ばれたらいいなあ、、 更新楽しみにしてます！がんばってください ！ (2017年8月26日 23時) (レス) id: b57c603971 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴなたまご | 作成日時：2017年8月19日 15時
