わがまま王子 ページ31
【Aside】
玲於「なんでスクール行ったの。」
ソファの上で猫みたいにまるまった佐野くんが
キッチンに立つあたしを見上げてくる。
『んーなんかね、
またダンスしてるとこ見たくなっちゃって。』
玲於「連絡してよ。」
『こっそりのぞきにいったんだもん。』
玲於「なんでこっそりなわけ。」
うっ…
熱あっても、口調と鋭さは健在だなぁ。
『うーん…なんとなく。』
玲於「ふーん。」
ほら。納得してない様子の素っ気ない返事。
だってそんなの言えない。
佐野くんの姿がひと目見たくなって
こっそり見にいったなんて。
結局、岩田さんにすぐ見つかったから
全然こっそりできてなかったんだけど。
『よし、できた。』
お鍋に作った雑炊をお椀によそって
ソファの前のテーブルに置いた。
もぞもぞ起き上がると、「わ。めちゃうまそう。」ってのぞきこんで目をキラキラさせてる。
『雑炊なら食べれるかなと思って。
おかゆより栄養あるし、消化にもいいから。』
玲於「すげ。食っていいの？」
『どーぞ。』
玲於「いただきまーす。」
ぶかぶかのパーカーの袖から出した手を合わせたかと思うと
おもむろに「ん。」ってスプーンをあたしに差し出した。
『え？なに？』
玲於「なにって。食べさせてくれんじゃねーのふつー。」
『食べ…、えっ！』
玲於「ハンバーグのとき、俺したじゃん。」
『そう、だけど…。』
玲於「なに。してくんねーの。」
なんて、
今度は子供みたいなこと言う。
子供というか、ドSというか。
恥ずかしさをこらえながら
少しだけすくったスプーンの上のごはんを
ふーふーってしてから佐野くんの口に運ぶ。
ぽってりした佐野くんの唇が少し開いて
ゆっくりとスプーンに顔を近づけた。
玲於「ん。」
佐野くんがスプーンをぱくってする。
熱があるせいなのか
色っぽく伏せられた目とか
スプーンから伝わる感触とか
色々意識してしまって
小さなことでもドキドキしてしまう。
玲於「なに照れてんの。」
『照れるよ、こんなの。』
玲於「ん。」
佐野くんが、あーんてまた口を開ける。
え。まだするの？
もうムリ、って首を振るけど
玲於「俺が困ってるとき力になってくれんでしょ？」
わがまま王子に口で勝てるわけもなくて
結局全部食べさせてあげるハメになった。
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りな(プロフ) - はじめまして！久々にすごく引き込まれるお話です！玲於くんと彼女さん、亜嵐くんがどんな答えを出すのかドキドキしてます。更新楽しみにしてます(^^) (2018年6月5日 2時) (
レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
くる(プロフ) - ぴなたまごさんこんにちは！久しぶりに更新されてほんとに嬉しいです（ ; ; ）ぴなたまごさんの作品全作読ませていただいているのですが玲於くんファンってこともあって全部好きです！！このお話も大好きなのでこれからも更新たのしみにしてます！頑張ってください！ (2018年6月3日 10時) (レス) id: b57c603971 (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - やっぱりすごいです、お話に引き込まれます。更新…！嬉しいです。また続きを楽しみに待たせていただきます！ (2018年6月1日 20時) (レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)
reona(プロフ) - 更新されてないみたいですが、何かあったのでしょうか？更新楽しみにしてます！ (2017年11月13日 2時) (レス) id: a813d90c31 (このIDを非表示/違反報告)
ももぷりん(プロフ) - 会いに来てください〜！うぇるかむです！大好きですこのお話（ ; ; ）更新来るたび飛び跳ねてます！ぴなたまごさんのお話全作好きです、玲於くんと結ばれたらいいなあ、、 更新楽しみにしてます！がんばってください ！ (2017年8月26日 23時) (レス) id: b57c603971 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴなたまご | 作成日時：2017年8月19日 15時
