笑顔の裏側 ページ16
【Aside】
ぽろり、と
涙がこぼれ落ちた。
佐野くんが言ってる［すき］と
あたしの知ってる［すき］が
簡単に結びつくはずなくて。
何言ってるだろうって、頭が変に冷静。
だけど佐野くんの表情がいつになく真剣で。
黒目がちな瞳が、少しだけ不安げに揺れてる。
･･･え。
･･･････････････え？
玲於「まぁ。
亜嵐くんみたいな顔も中身もかっこいい男なんてそうそういないんだし。
せいぜい捨てられないよーに頑張れば。」
･･･あれ？
『え。あの･･･
え？ちょっと待って。話が見えないんだけど。』
玲於「なにが。」
『だって今す、すきって、』
玲於「え。
まさか本気にしたわけ。
冗談に決まってんでしょ。」
じょ、冗談？
「すぐ信じすぎ。」って
さらっと毒舌。
なんなのもう。
絶対、あたしのことからかって遊んでる。
玲於「なに。怒ってんの？」
『怒るよそりゃ。
本当に焦ったんだから。』
もう、ってクッション抱えながら
ぷいってそっぽ向いたら
「ごめんって。」って子供みたいに無邪気に笑って
ほっぺた包み込んで「そんな怒んないでよ。」って
涙を優しく指で拭ってくれる。
悔しいけど
･･･ほんと、憎めない子だなぁ。
そんなかわいい笑顔見せられたら
もう怒れないよ。
玲於「･･･だからさ。
亜嵐くんに言えないこととか
また1人になりたくないってときは
俺のこと呼んでくれていーから。」
『え？』
玲於「言ったじゃん、俺もAちゃんと一緒だって。
俺はわかるから。
Aちゃんのそーいう気持ち。」
まるで大切なものを扱うように
佐野くんが優しく
あたしのほっぺたに指を滑らせる。
玲於「それが俺からのお願い。」
そう呟く声は、低く甘く。
佐野くんの優しさが嬉しくて、ついまた涙ぐんでたら
「なんでまた泣くの。」って困ったように笑ってる。
「それ以上泣いたら、ブスになるよ。」なんて。
もうね。
涙が止まらない。
そんな憎まれ口だって今はすごく優しい。
だって、あたしの気持ちを和ませる為に言ってくれてるんだってわかるから。
玲於「Aちゃんを慰める役は、俺のね。」
こくん、て頷いて
泣きじゃくりながら佐野くんを見上げる。
その笑顔の裏に隠された佐野くんの気持ちに
気づかないまま。
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りな(プロフ) - はじめまして！久々にすごく引き込まれるお話です！玲於くんと彼女さん、亜嵐くんがどんな答えを出すのかドキドキしてます。更新楽しみにしてます(^^) (2018年6月5日 2時) (
レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
くる(プロフ) - ぴなたまごさんこんにちは！久しぶりに更新されてほんとに嬉しいです（ ; ; ）ぴなたまごさんの作品全作読ませていただいているのですが玲於くんファンってこともあって全部好きです！！このお話も大好きなのでこれからも更新たのしみにしてます！頑張ってください！ (2018年6月3日 10時) (レス) id: b57c603971 (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - やっぱりすごいです、お話に引き込まれます。更新…！嬉しいです。また続きを楽しみに待たせていただきます！ (2018年6月1日 20時) (レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)
reona(プロフ) - 更新されてないみたいですが、何かあったのでしょうか？更新楽しみにしてます！ (2017年11月13日 2時) (レス) id: a813d90c31 (このIDを非表示/違反報告)
ももぷりん(プロフ) - 会いに来てください〜！うぇるかむです！大好きですこのお話（ ; ; ）更新来るたび飛び跳ねてます！ぴなたまごさんのお話全作好きです、玲於くんと結ばれたらいいなあ、、 更新楽しみにしてます！がんばってください ！ (2017年8月26日 23時) (レス) id: b57c603971 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴなたまご | 作成日時：2017年8月19日 15時
