運命のデートと不協和音 ページ10
【Aside】
玲於「え、会社の女の子って
Aちゃんしかいないの。」
運ばれてきたフォンダンショコラを頬張りながら
玲於くんが大きな目をぱちぱちさせてる。
最初に連れてきてもらったケーキ屋さん。
今日は奥の個室が使えなかったため
窓際の1番目立たない席に
座らせてもらっていた。
『チーム内ではあたしだけなんです。
社内にはたくさんいますよ。』
玲於「でもそんなん紅一点じゃん。
狙ってくるやつとかいっぱいいるでしょ。」
『いませんよそんな人。』
玲於「や、絶対いるって。Aちゃん鈍いもん。」
…喜んでいいのか、けなされてるのか。
なんだか複雑な気持ちで
自分のシフォンケーキにフォークをいれる。
ここに来る前に立ち寄ったお店で
気に入ったアクセサリーを買ったからか
玲於くんはとってもご機嫌さん。
半分こして玲於くんにあげた分のシフォンケーキは
すでに平らげられていた。
玲於「前、飲みに誘ってきたやついたじゃん。」
『え。あ、リーダーの人ですか？』
玲於「そーそー。
そいつもAちゃん狙ってんじゃないの。」
『まさか。
あれは部下との交流の一環だと思います。』
玲於「絶対うそ。
ねぇ。お願いだからもーちょっと警戒心持ってよ。」
警戒心って言われてもなぁ…。
面倒見がいいだけだろうし
ほんとになんとも思われてないと思うけど。
もぐもぐしながら
そんなこと考えてると、
玲於「ねぇってば。」
顎を持ちあげられて
玲於くんの整った顔が視界を埋め尽くす。
玲於「聞いてんの。」
テーブル越しとはいえ
鼻があたってしまいそうな距離に
息が止まりそうになる。
『っ、こ、これ！』
慌てて玲於くんから離れると、
手元に置いてあった紙袋を差し出した。
玲於「…なにこれ。」
『あの、お見舞いの品というか。
けがしたところに使ってください。』
玲於「え、まじで。くれんの。」
こくこくと頷くと、
紙袋を受け取った玲於くんが
中身をのぞきながら
嬉しそうに微笑んだ。
玲於「え、嬉しいんだけど。ありがと。」
へにゃって笑った顔を見て
暴れてた心臓が今度は
きゅうっとなる。
玲於「中身なに？」
『えっと、それは、ーー』
「玲於くーん。」
玲於くんの名前を呼ぶ声がして
目の前の玲於くんの顔が
一瞬にして曇った。
その目線の先、
振り向くと
長い金髪を耳にかけながら
こちらに歩いてくる女の子の姿があった。
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ここ丸 - 続き気になりすぎて夜も寝れないです！！お時間あれば続き作って欲しいです！お話おもしろかったです (12月11日 0時) (
レス) @page28 id: 567dedf7ba (このIDを非表示/違反報告)
小野 - うわ！！完結ですか？その後のふたりが気になります！！また機会があればエピローグみたいなのお願いします！ (11月30日 0時) (レス) @page28 id: b52f40c2b8 (このIDを非表示/違反報告)
あお - 素敵なお話をありがとうございました！！ (10月24日 13時) (レス) @page28 id: 185df01673 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴなたまご | 作成日時：2023年10月11日 20時
