バニラアイス ページ19
【玲於side】
玲於「なにこれ。」
テレビ収録を終えて楽屋に戻ると
テーブルの上に箱が置かれてた。
隼人「あ、それ番組からの差し入れだって！」
ふーん、て箱を開けてみると
1つだけ残された
某有名アイスのカップ。
玲於「…え。バニラしかないんだけど。」
亜嵐「ごめん、早い者勝ちで選んじゃった。」
よく見てみると
メンバーはそれぞれアイスのカップ持って
すでに食べ始めてる。
ストロベリーがよかったな。
…うわ。
これすでにちょっと溶けてんじゃん。
真っ白なアイスにスプーンをいれると
くにゃ、っと柔らかく変形した。
玲於「ねぇ。ストロベリーとったの誰。」
メン「あ、俺。
欲しかった？まだ半分残ってるけど。」
玲於「いらないよ、メンさんの食べかけなんか。」
「ひどい！」って言ってるメンさんを横目に
ぬるくなったアイスを口に運んだ。
…あまったる。
なんでアイスって
溶けた方が香りも甘さも強く感じるんだろ。
食べ終わっても
いつまでも口の中に残り続けるあまったるさを
一気に水で流し込んだ。
着替えを済ませて
全員でマネージャーさんが運転するバンに乗り込む。
事務所に着いて解散ってなって
亜嵐くんとメンさんにごはん誘われたけど
なんとなく気分じゃなくて断った。
てか
さっきのアイスで胸やけしそうだし。
1人とぼとぼと帰り道を歩きだす。
すっかり完治した右足首。
鼻を掠める冷たい風と
それに乗って漂ってくる金木犀の香り。
もうすっかり
季節は移り変わっていた。
明日オフだし、
なにしよーかな。
家でトレーニングしてから
服でも買いに行くか。
けど、この前
新しい靴買ったばっかだしな。
そんなこと考えながら
見覚えのある白いマンションの前にさしかかる。
それは、何度か訪れたことのある
Aちゃんのマンション。
事務所からの帰り道だと
どうしてもここを通っちゃうんだよな。
あれ以来
Aちゃんとは連絡とってない。
特別な女の子への気持ちは
いつのまにか
呆気なく強制終了されてた。
家が近所って
こういうときつらい。
だって
どーしたって思い出しちゃうじゃん。
…なんか今ストーカーみたいかも、俺。
きも。
帰ろ帰ろ。
足を早め、
マンションの前を通り過ぎようとしたときだった。
一台のタクシーが
マンションの前で停まる。
ドアが開いて中から出てきたのは
久しぶりに見る
Aちゃんの姿だった。
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ここ丸 - 続き気になりすぎて夜も寝れないです！！お時間あれば続き作って欲しいです！お話おもしろかったです (12月11日 0時) (
レス) @page28 id: 567dedf7ba (このIDを非表示/違反報告)
小野 - うわ！！完結ですか？その後のふたりが気になります！！また機会があればエピローグみたいなのお願いします！ (11月30日 0時) (レス) @page28 id: b52f40c2b8 (このIDを非表示/違反報告)
あお - 素敵なお話をありがとうございました！！ (10月24日 13時) (レス) @page28 id: 185df01673 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴなたまご | 作成日時：2023年10月11日 20時
