終わらせないで ページ17
【玲於side】
「お疲れさまでした！」
無事 千秋楽をむかえて
楽屋にて全員で乾杯をする。
っつっても、
ペットボトルの水だけど。
ちゃんとした打ち上げは
このあと関係者も交えてするつもり。
水を飲み干し
そのままソファにもたれかかる。
天井を仰いでると
上から亜嵐くんが
ひょこっと顔をのぞかせた。
亜嵐「足大丈夫？」
玲於「ん。」
亜嵐「途中、足気にしてただろ。」
…うわ。気づかれてた。
さすが亜嵐くん
よく見てんな。
玲於「でもちゃんと踊れてたでしょ。」
亜嵐「昨日バイクなんか漕ぐからだよ。
ちゃんと冷やしとけよ。」
玲於「はーい。」
立ちあがんのめんどくさ。
でも悪化しても困るしな。
よいしょ、と重い腰をあげて
楽屋の冷蔵庫から保冷剤を取り出す。
誰にも気づかれないよーに
バッグから取り出した青いクマのクールピローに入れて
隠れるように足首を冷やした。
隼人「そーいえば今日ど真ん中にいましたね、
ロイドさん！」
後ろから隼人の声が聞こえて
思わずびくっとした。
メン「あーいたね。
相変わらず微動だにしないから
めっちゃ目立ってた。」
裕太「え、おった？」
涼太「うん、アリーナ最前列のステージ前にね。
ね、玲於も気づいた？」
玲於「…あー。うん。」
隼人「俺、アンコールのとき
ちょうど目の前でー、」
って、わいわいと盛り上がる声が聞こえる。
輪に入りたくなくて
気配を消すよーにソファの上で縮こまって
ひたすらクールピローを足首に押し当てた。
…気づかないわけないじゃん。
あんな目の前にいてさ。
ただでさえ俺、
見つけるの天才なんだってば。
ひたすら無表情で
ステージ真っ直ぐ見据えてて
俺が目の前に立っても
まるで視界に入ってなくて。
どこ見てんのあれ。
どこも見てないんじゃないの。
知り合う前に戻ったっていうか…
知り合う前よりも
遠くなった気がする。
だって、ひしひしと感じた。
俺に対する
強い拒絶。
せっかくライブ走り切ったのに
全然晴れやかな気持ちになれない。
…もう終わったのかな、これって。
Aちゃんの中でもう、俺
なかったことになってんのかな。
足首を冷やしたまま
膝を立てて顔をうずめる。
せめて謝らせてよ。
友達なんでしょ。
もう、ファンでもなんでもいいよ。
勝手に終わらせないでよ。
せめてもの期待で
スマホを開いてみるけど
やっぱり新着メッセージは
きてなかった。
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ここ丸 - 続き気になりすぎて夜も寝れないです！！お時間あれば続き作って欲しいです！お話おもしろかったです (12月11日 0時) (
レス) @page28 id: 567dedf7ba (このIDを非表示/違反報告)
小野 - うわ！！完結ですか？その後のふたりが気になります！！また機会があればエピローグみたいなのお願いします！ (11月30日 0時) (レス) @page28 id: b52f40c2b8 (このIDを非表示/違反報告)
あお - 素敵なお話をありがとうございました！！ (10月24日 13時) (レス) @page28 id: 185df01673 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴなたまご | 作成日時：2023年10月11日 20時
