止まない痛み ページ15
【玲於side】
右足首が軋む。
そろそろやめなきゃ、
そう思いながらもう15分は
バイクを漕ぎ続けてた。
亜嵐「玲於。」
呼ばれると同時に肩に手を置かれ
足を止めて振り返る。
いつになく真剣な顔した亜嵐くんが
無言で首を横に振った。
亜嵐「もうやめとけって。
足首、まだ完治してないんでしょ。」
玲於「…もう普段どーりの生活していいって言われたよ。」
亜嵐「お前が今してんのは過度な運動だから。
はっきり言って自傷行為。
踊れなくなったらどうすんの
明日はライブ最終日なんだから。
自己管理も仕事のうち。
これ、リーダー命令。」
口調は厳しいけど
その猫みたいな大きな瞳に
心配が滲んでるのがわかって
「わかった。」って素直にマシンを止めた。
亜嵐「なぁ、何かあった？」
玲於「別に。」
亜嵐「うそつけ。
最近様子が変すぎんだよ。
アユちゃんも
もう玲於くんはいいって言い出すし。」
玲於「…え。会ったの？」
亜嵐「この前たまたまテレビ局でね。
世間話してたら急にそんなこと言い出してさ。
詳しくは聞かなかったけど
プライドずたずたにされたって顔してた。」
「そのことと関係あんの？」って
亜嵐くんが顔をのぞきこんでくる。
…まぁ関係なくはないかもしんないけど
正直どーでもいいんだよね、あの子のことは。
玲於「違うよ。」
タオルで髪の毛を拭きながら
ロッカールームへと向かう。
亜嵐「とりあえず今日はもう
帰って寝ろって。
ちゃんと足首冷やしとけよ。」
振り向かないままで
「はいはい。」って片手をひらひらさせると
後ろから亜嵐くんのため息が聞こえた。
自傷行為ね…
俺、そんなメンヘラじゃないんだけど。
でもあながち間違ってない気がして
自嘲気味に笑ってしまった。
だってどーしたって考えちゃうんだって。
あのときもっと早く
引き留めてたら、とか
ケーキ屋さんによらずに
買い物したあとすぐごはん行ってたら、とか
そんなたられば
なんの意味もないのに。
あと明日のライブ最終日。
絶対アリサちゃん来るだろうし
そうなったらAちゃんも来るんだろうな。
顔が見たいような
見たくないような。
あー…だめだ、また考えてるわ俺。
思考を振り払いたくて
ロッカールームのシャワー室で
頭から水をかぶった。
熱をもった右足首が
どくん、どくんと痛みを訴える。
その痛みがまた、
あの日の
去っていくAちゃんの後ろ姿を
思い出させた。
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ここ丸 - 続き気になりすぎて夜も寝れないです！！お時間あれば続き作って欲しいです！お話おもしろかったです (12月11日 0時) (
レス) @page28 id: 567dedf7ba (このIDを非表示/違反報告)
小野 - うわ！！完結ですか？その後のふたりが気になります！！また機会があればエピローグみたいなのお願いします！ (11月30日 0時) (レス) @page28 id: b52f40c2b8 (このIDを非表示/違反報告)
あお - 素敵なお話をありがとうございました！！ (10月24日 13時) (レス) @page28 id: 185df01673 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴなたまご | 作成日時：2023年10月11日 20時
