プレゼント ページ13
【玲於side】
「走ったりしました？」
右足首を診察してたお医者さんが
渋い顔をする。
「とりあえず今日1日は絶対安静にしてください。
痛み止めもだしておきますから。」
玲於「…はい。すみません。」
少し腫れた患部。
Aちゃん追っかけよーとして
走ったのがいけなかったな。
気をつけてはいたけど
その前の買い物でも
まあまあ歩いたりしたから
余計に負担がかかったのかもしれない。
絶対安静ってことで
タクシーで家に直帰すると
とぼとぼと
そのままベッドに寝転がった。
そのままの体勢でスマホ開いて
ライン確認してみるけど
Aちゃんに送ったメッセージは
未読になったまま。
電話…
いや、返事ないのに
さすがにキモいよな。
てか今日平日か。
今仕事中じゃん。
ふー、と息を吐き出し
天井を仰ぐ。
なんで急に帰っちゃったの。
なんで返事くんないの。
…てか当たり前か。
急に知らない女の子が入ってきて
あんな失礼な態度取られたら
誰でも気分悪いよな。
わかってる。
でも、
お願いだから
なんとか言ってよ。
怒ってるなら
文句言ってくれたっていいから。
なにもわかんないままなのが
1番つらい。
ごろん、と横を向く。
部屋の隅に
バッグと一緒に置かれていた
白い紙袋が視界に入った。
…あ。
忘れてた。
それはあの日
Aちゃんから手渡された紙袋。
むくりと起き上がって
紙袋に手を伸ばす。
中を取り出して
包装紙を開けてみると
小さな青いテディベアがでてきた。
箱の裏の説明には
クールピローって書いてある。
玲於「…これ、中に保冷剤入れて使うんだ。」
けがしたところに使ってくださいって
そういうことか。
アロマをふりかけても使えるようで
テディベアと一緒に
アロマの小瓶もついていた。
とんとん、とかけて
鼻を近づける。
玲於「…Aちゃんの匂いがする。」
それはあの日、
百貨店の屋上広場で
Aちゃんを抱きしめたとき
Aちゃんの髪から香ったのと同じ
甘い香り。
西陽のオレンジ色とか
夕日に染まって
いつもより潤んで見えた
茶色い瞳とか
抱きしめたときの
細い身体の感触とか
なんか一気に
あの日の情景が浮かんできて
胸が苦しくなって
なんだか泣きそうになって
テディベアに
ただ、顔をうずめた。
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ここ丸 - 続き気になりすぎて夜も寝れないです！！お時間あれば続き作って欲しいです！お話おもしろかったです (12月11日 0時) (
レス) @page28 id: 567dedf7ba (このIDを非表示/違反報告)
小野 - うわ！！完結ですか？その後のふたりが気になります！！また機会があればエピローグみたいなのお願いします！ (11月30日 0時) (レス) @page28 id: b52f40c2b8 (このIDを非表示/違反報告)
あお - 素敵なお話をありがとうございました！！ (10月24日 13時) (レス) @page28 id: 185df01673 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴなたまご | 作成日時：2023年10月11日 20時
