失くした居場所 ページ11
【Aside】
…誰？
顔が小さくて
すごくきれいな女の子。
だけど、
玲於くんを見つめる強気な瞳を見て
胸がざわつく。
玲於「…は。何してんの。」
アユ「窓の外から玲於くんが見えたからー。
こんなとこで会うなんて偶然ー。」
あれ
この人どこかで…
あ、そうだ。
生放送の歌番組で
GENERATIONSの前に歌ってたグループの…
あたしなんか眼中にないようで
横を素通りして
玲於くんの隣に座ると
いきなり腕を組み出した。
玲於「ちょっ、やめてよ。うざ。」
アユ「なに照れちゃってー。
いつもしてるじゃん。」
………え。
玲於「そっちが勝手に組んできただけでしょ。
てか、いつもじゃないし。」
アユ「玲於くんて細かーい。
いいじゃん。
彼女になるかもしれないんだし。」
思考が、停止する。
……………かの、じょ？
アユ「そーだ、
今から前一緒に飲んだバー行くのー。
玲於くんもいこーよ。」
玲於「なに言ってんの、行かないから。」
アユ「えー飲みに行こうって約束したじゃん。」
玲於「今、人と一緒にいんのわかんないの。」
強い口調で言われて、
初めてあたしに気づいたと言わんばかりに
冷たい視線が向けられた。
アユ「あ、ごめんねー。」
感情のこもってない声でそれだけ言うと、
また玲於くんに向き直って
笑顔で何か話しかけてる。
…そっか。
そういう人がいたんだ。
2人の会話が耳に入ってこないのに
頭の中がどんどん冷静になっていく。
当たり前だよ。
玲於くんは芸能人だよ。
あたしなんか
玲於くんにとって
友達の1人でしかなくて。
あたしが見てた玲於くんが
玲於くんのすべてじゃないんだから。
そんな当たり前のことに
どうして今まで
気づかなかったんだろう。
玲於「いい加減にして。まじうざい。」
アユ「えー。
てか、この子だれー？どこかのモデルー？」
玲於「や、この子は、」
『ーー友達です。』
反射的に
玲於くんの言葉を遮っていた。
視界の端で
驚くようにこちらを見る玲於くんが映る。
『…邪魔になりそうなので帰ります。
ケーキ、ごちそうさまでした。』
バッグをつかむと
玲於くんを見ないまま
席を立った。
玲於「ーーAちゃん！」
後ろから
玲於くんの呼び止める声が聞こえる。
だけどもう、振り向けなくて。
この場にいたくなくて。
振り切るように
お店を飛び出した。
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ここ丸 - 続き気になりすぎて夜も寝れないです！！お時間あれば続き作って欲しいです！お話おもしろかったです (12月11日 0時) (
レス) @page28 id: 567dedf7ba (このIDを非表示/違反報告)
小野 - うわ！！完結ですか？その後のふたりが気になります！！また機会があればエピローグみたいなのお願いします！ (11月30日 0時) (レス) @page28 id: b52f40c2b8 (このIDを非表示/違反報告)
あお - 素敵なお話をありがとうございました！！ (10月24日 13時) (レス) @page28 id: 185df01673 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴなたまご | 作成日時：2023年10月11日 20時
