玲於end�� ページ18
【Aside】
『え、アメリカ行くの来年なの！？』
「そうだよ。」って、
しれっと佐野くんが答える。
玲於「そんな急にアメリカなんて行けるわけないじゃん、ばーか。
ビザだってとんないといけないんだから。」
『だって、岩田さんが来月って…。』
玲於「じゃあ岩さんの勘違い。
あの人意外と大事なとこで天然だすから。」
天然って…。
来月と来年じゃ大違いだよ。
冷静に考えて、この短期間でアメリカ行きなんておかしいって気づかないあたしもあたしだけど…。
「てか岩さんに喋んなっつったのに。」って
隣を歩く佐野くんが悪態ついてる。
『じゃあなんで家引き払ったの？
まだ1年日本にいるのに。』
玲於「あー。
なんかアメリカ行きの話の流れで、こっちにいるダンサーの人紹介してもらって。
海外で活躍もしてる結構有名な人なんだけど、その人の仕事手伝わせてもらえることになったんだよね。」
『え。そうなんだ。すごい。』
玲於「だからその人の家の近くに住もーと思って引っ越した。
っつっても都内だし。
海外で通用するノウハウとか教えてもらってからアメリカ行った方がいいじゃん。」
『じゃあbarのバイトは…。』
玲於「やめた。」
『えっ。』
玲於「この前来た時、バーカウンターにいっぱい姫金魚草あったでしょ。
あれ、俺が辞めるからって、全部お客さんからのプレゼント。」
あー、なるほど。
だからマスターも家の住所をわざわざ教えてくれたんだ。
もうbarに行っても佐野くんはいないんだもんね。
玲於「てかさ。」
『ん？』
玲於「ほんとに俺でいいの。」
ゆっくりになって、やがて佐野くんの足取りが止まる。
玲於「俺、亜嵐くんに比べたら稼ぎ少ないし。
この先安定するかだってわかんねーし。
Aちゃんが喜ぶような、甘いこととか全然言えねーし。」
何か言葉を探すように目を伏せて、俯く。
自信がないとことか、弱いとこを見せてくれる。
それだけで嬉しくて 愛しくて
ぎゅって握りしめられた佐野くんの手をとった。
『...ねえ、約束したよね。
もう一度会えたとき
あたしの気持ちが少しでも佐野くんにあったら。』
言葉にするのが下手なあたし達。
だから
この気持ちが伝わるようにって、その手を優しく包む。
子供みたいに純粋な瞳が
泣きそうに揺れながらあたしを見つめて
すごく、愛しそうに笑った。
玲於end.....fin.
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まぁ(プロフ) - ぴなたまごさん、完結おめでとうございます！そしてお疲れ様でした。私はぴなたまごさんの玲於君が本当に大好きなので、また気持ちと時間に余裕が出来たら新しいお話で玲於君を書いていただけたら嬉しいです！今回もグッとくるお話、ありがとうございました！ (2018年6月15日 16時) (
レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(プロフ) - とてもいい作品でした(T^T*) (2018年6月12日 20時) (レス) id: 527ff0df55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴなたまご | 作成日時：2018年6月5日 20時
