亜嵐end�� ページ9
【Aside】
メイ「とうとう来ちゃったか、この日が。」
車を運転するメイが
はぁーって眉を八の字にさせてる。
『そんな顔しないでよ。寂しくなっちゃう。』
メイ「だって寂しいんだもん。
Aにもう会えなくなっちゃうなんて。」
『そうだね。』って助手席で答えてるあたしも
なんだか泣きそうで、走らせる車から見える外の景色に目を移した。
今日はあたしが上海へ出発する日。
2週間前
「向こうで待ってる」って言って先に出国していった亜嵐くんを追いかける日。
最後だからってメイが空港まで
車で送ってくれてるんだけど
メイ「あ、だめ。涙で視界がぼやけてきた。」
『ちょ、メイ危ないってば。
ちゃんと見えてる？』
いつも強気なメイがこんなにしょんぼりしてくれて、
嬉しい反面、やっぱり寂しい。
『…あ。』
外を眺めてて、ふと見覚えのある景色が広がる。
この道は、
佐野くんのマンションの前を通る道…。
結局あのまま連絡も取らなかった。
元気かな。
…佐野くんのくれたあのお花の名前、
なんだったんだろう。
懐かしいマンションの前を
メイの運転する車が通り過ぎる。
一瞬、
ゴミ捨て場に
うつぶせの写真立てが
捨てられてるのが見えたような気がした。
「元気でね。」って、目を真っ赤にさせたメイに見送られながら
あたしは上海行きの飛行機に乗り込んだ。
『…わぁ、おっきい空港。』
飛行機でたった2時間。
国外にいるような気がしない距離だけど
降り立った空港は
やっぱりすでに日本じゃなくて。
聞き慣れない言語が飛び交いまくり
アウェー感出まくり。
これは交通機関使ったら
迷子になるやつだ。
よし、ここは安全にタクシーで…。
「ーーーA！」
遠くから聞こえた、
異国で呼ばれるはずのない自分の名前。
懐かしい、
大好きな人の声。
ぱって振り向くと、
入場ゲートの側で
大きく手を振ってくれてる
大好きな人。
『亜嵐くんっ』
キャリー引きずって慌てて駆け寄る。
思わずぽすんって抱きついたら
お疲れって優しく抱きとめてくれて
亜嵐「待ちくたびれて、死ぬかと思った。」
見上げると、そこには大好きな笑顔があって
亜嵐くんにまたぎゅって抱きしめられて
懐かしい大好きな匂いに、包まれた。
亜嵐end ...fin.
、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 256人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「GENERATIONS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まぁ(プロフ) - ぴなたまごさん、完結おめでとうございます！そしてお疲れ様でした。私はぴなたまごさんの玲於君が本当に大好きなので、また気持ちと時間に余裕が出来たら新しいお話で玲於君を書いていただけたら嬉しいです！今回もグッとくるお話、ありがとうございました！ (2018年6月15日 16時) (
レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(プロフ) - とてもいい作品でした(T^T*) (2018年6月12日 20時) (レス) id: 527ff0df55 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぴなたまご | 作成日時：2018年6月5日 20時
