口説けない 【カウボーイ】 ページ3
いつものように荘園にいる女子何人かでティーパーティーをしていた
『やっぱり私ってアユソさんから女性認識されていないのかも』
と、一緒にクッキーや紅茶を楽しんでいた女性メンバーに話しかける
よくアユソさんが、ウィラちゃんやツェレちゃん、ハンターである美智子さんなどの女性を「美しい」「可憐だ」とか言っているのを目にするが
私はその言葉を一言も言われたことはなかった
最初は気にしてはいなかったものの、やはり気になっている異性から自分だけ言われていないとほかの人たちが羨ましいと思ってしまうのも当然であった
このことをいつも恋愛経験の豊富そうなウィラちゃんとツェレちゃんに相談していたのだ
突然「あっ！」という声がしてそちらに顔を向ければ
ｳｨﾗ「Aがあのカウボーイにグイグイ行ってみるのはどうかしら」
流石のその提案には目を見開いてしまった
今までアユソさんがかっこよすぎて会話ではほぼ相槌をうっていたり、自分から話しかけたりはしてこなかった
そんな自分がグイグイ行くなんて絶対無理である
ﾂｪﾚ「確かにいいかもね、そしたら意識してくれるんじゃない？」
確かに一理ある
二人がここまで言うのであれば明日実行してみようと決意した
次の日から私は毎日自分から話しかけに行って、その日のメイクや服装についてどう思うかたずねるようになった
最初はやはり周りの子を口説くような言葉を言ってはくれなかったものの、最近ではむしろ周りの女性を口説かなくなり、さらには私だけ褒めるようになっていった
逆にスキンシップの多さに私のほうが恥ずかしくなり今では少し距離をとりたいと思うようになってしまった
ｶｳﾞｨﾝ「A、今日も可愛らしいね」
ｶｳﾞｨﾝ「いつでも僕を頼ってくれ、助けてあげるさ」
と言いながら、跪きながら私の手を取り手の甲からキス音がした
その瞬間一気に顔が熱くなり、お礼を言って早急に自分の部屋へ戻ってしまった
ｶｳﾞｨﾝ「仔猫ちゃん待っててね、すぐ迎えにいくから」
そんな言葉が誰もいない静かな廊下へ消えていった
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作者名：ぽてしょこ | 作成日時：2024年3月18日 1時
