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「あれ、榎本じゃん」
神谷刑事の視線を追うように振り返れば、見知った男が立っていた。
鈴木君、ゼミが同じ友人だ。
「え、何。彼氏の車で登校？」
くだらないことを言い出す鈴木君を睨む。
神谷刑事はにこりともせず、否定も肯定もしなかった。
「こちらは警察の方。色々あって、送ってもらう流れになってしまっただけで……」
しどろもどろに説明する私を、鈴木君は不思議そうに見る。
「あぁ、もしかして前言ってたストーカー被害の……」
神谷刑事が怪訝な表情をしたのが横目に分かった。
慌てて友人の口を塞ぐ。
「すみません神谷刑事、助かりました」
鈴木君の言葉を無理やり遮り、神谷刑事に向き直る。
「お気をつけて」
何か言いたげだったが、それだけ言い残して黒い車は去っていった。
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千春 - 更新楽しみにしてます！ (2022年1月9日 15時) (
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作者名：ぽてと | 作成日時：2021年12月16日 10時
