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「時間を持て余していらっしゃるなら、タクシー代わりにでもなってくれたらいいのに」
ガチャ、とドアの鍵が外れる音がした。
え、と私が反応する前に
神谷刑事は運転席から手を伸ばし、助手席側のドアを開ける。
「どうぞ」
は、と間の抜けた声が漏れた。
「いやいや、冗談です」
「どのみち張り込み捜査をしなければならないので」
「いや……」
「貴女が言ったんじゃないですか」
犯人を追い詰める時とは少し違う、だけど威圧するような話し方。
彼に車内から見上げられて、私は言葉に詰まる。
なんだか妙な流れになってしまった。
「……本当に暇なんですか」
「これも仕事です」
歩み寄ってくれているのか、突き放されているのか。
よく分からない。
ただ、いつも通りのドライな口調が気に入らない。
勢いに任せて、私は車に乗り込んだ。
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千春 - 更新楽しみにしてます! (2022年1月9日 15時) (レス) @page13 id: 5e5ecfa292 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽてと | 作成日時:2021年12月16日 10時