＊ ページ13
静かな病室で、俺はずっと
1人で話し続けていた。
Aの睫毛が僅かに揺れた様な気がしたから..
だから、話し続けた。
「風見..から聞いたんだよな？色々...間接的になってすまない。」
謝ってばかりの自分。
「あと少し..もう少し頑張れば、仕事に区切りがつきそうなんだ。ただ、また..暫く会えない。」
君に..また、同じ思いをさせたくないのに。
「今度は...少し難易度が高い任務..なんだ。だけど、俺は..俺は、絶対に帰って来るから――」
全部終わったら..
そしたら、君を..
馬鹿な夢を見てるんだ――
「今度は逃げも隠れもしない。お願いだ..
こんな馬鹿な俺だけど...もう一度だけ..チャンスをくれないか？」
自己のカッコ悪さが際立つ。
どんな形でも構わない。
Aに縋らずにはいられない。
あぁ..
残念。
君の綺麗な瞳が閉ざされたままだなんて。
それでも、君に伝えたい事があるんだ――
「...A、愛してる。」
彼女の耳元で優しく囁いた。
少しでも君に、この想いが届く様に..
額にかかっていた前髪をそっと横に流しながら。
「今も昔も..そして、これからも、ずっと...」
俺は君の甘い蜜に引き寄せられていた。
ふわりとAの唇をこっそり奪う。
「...A、必ず戻ってくるから。」
名残惜しさを押し殺しながら、戸に手をかける。
振り返る事はしない。
また会えると信じ、背を向けたから。
俺は気づけなかった。
1人になったAの目元に、雫がこぼれそうになっていたなんて...
..
「零君...いってらっしゃい。」
..
次に私が目覚めた時は、もう夜だった。
出された食事をつまらなさそうに見下ろし、
ほんの少しだけ手をつける。
風見さんは、時々来て零君の近況をこっそり教えてくれた。彼がとんでもなく多忙を極めていた事が、十分に伝わる。
私が重荷にならないか、心苦しい。
いや、そんな事思える程、私は自惚れていいのかな？
やはり、気が進まない食事。
お椀の蓋を元に戻し、小さく息をつく。
食器を下げに来た看護師にまた同じ事を言われたが、笑って誤魔化す。
あれっ？
ベッドの側の棚に見知らぬ紙袋があるのに気づく。
気怠く手を伸ばし中を覗くと..
使い捨て容器のランチBOXが入っていた。
それとペーパーナプキンとフォーク。
ナプキンは私が好きなクマさんの柄だった。
一気に高鳴る胸の鼓動。
そうさせるのは、
零君..
貴方だけなの―
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やっち(プロフ) - 良かったです。すれ違いが凄かったけど最後は結婚出来て良かった! (2022年8月4日 6時) (
レス) @page49 id: aabe067d77 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - salomeさん» こんにちは！続編のご希望頂きまして有難う御座います(^^)ゆっくりではありますが、只今準備させて頂いてます♪新作と続編、一旦同時にリリースしたいと思っております(*^ω^*) (2019年6月10日 9時) (レス) id: 79673368f7 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - 華花。さん» 初めまして！誤字脱字などお見苦しい点など多々あったにも関わらず、その様に仰って頂き嬉しい限りです(^^)やっぱり自分の好みは中々変えれず、新作も同じ様な雰囲気の作品かもですが宜しくお願い致します(*^o^*) (2019年6月10日 9時) (レス) id: 79673368f7 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - 星の桜さん» 有難う御座います！最高と言って頂けてとても嬉しいです(^^)短編もご希望頂いて俄然創作意欲が湧きます！只今準備中なのでもう少々お待ち下さいませ(*^o^*) (2019年6月10日 9時) (レス) id: 79673368f7 (このIDを非表示/違反報告)
salome(プロフ) - 完結おめでとうございます出来たら出産の後の２人目の子育てやハロが降谷家に来た話とがいっぱい書いてほしいです (2019年6月6日 13時) (レス) id: 31aa9c013b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポポロン | 作成日時：2019年4月14日 4時
