＊ ページ22
どうやら、首都高を降りるようだ。
先程よりも降谷の手元がやや慌ただしく動く。
安室さんの恋人役...
もう、終わっちゃう。
もっと貴方の側に居たいのに――
「Aさん、」
「...」
やはり、美しいものは罪深い。気を許してしまうと、容易く心を掻き乱されてしまう。先程までしっかりと眼下に広がる瞬く夜景に意識を奪われていた証拠だ。真横でハンドルをさばくこの男も然り。眉目秀麗と言う言葉が相応しい完璧な顔立ち、随分と神に愛されているに違いない。
「Aさん？」
「...」
いつの間にか2人が乗る車は環状線を経由した後に、賑やかな街中を走行していた。青や赤、緑など毒々しいネオンの灯りが主張すると共に、人々の往来の数が活気を象徴している。静まる事をまるで知らない街の喧騒を切り裂くように、降谷が運転するRX-7は進んで行く。
「...ねぇ、聞いてます？A？」
「あっ、ご、ごめんなさい。」
降谷の3度目の呼びかけの時だった。降谷の語気が強くなりかけた頃に、ようやく自分の名を呼ばれていた事に気づく。
「自宅この道で合ってますか？」
「はいっ！」
次第に車窓から見える風景が、華美なネオン街からAの最寄りの地下鉄の駅、いつもデザートを物色しに立ち寄るコンビニ、いつもの日常を思い出させ、かつ自宅が目前に迫って来ている事を知らせていた。
先程釘付けになった首都高からの眺めとは真逆で、こちらは夜の帳が降りまどろみかけた閑静な住宅街。降谷のアクセルを踏み込む力も徐々に緩くなって行く。
「ふぅ、それにしても今日は蒸し暑いですね。」
自宅マンションに到着し降谷と共にエレベーターに乗り込み、Aが階層のボタンを押している時だった。降谷は気怠そうに、自身のネクタイの締め付けを片手で緩めながら溢す。それだけでは満足いかなかったのか、更に胸元のボタンを2、3個外してしまう。密室に突然放たれる、彼の色香。
「もしかしたら、この後雨が降るかもしれませんよ。」
「あ、そう..ですね。」
覚束ない足どりで辿り着いたのは、深いネイビー調のまだ真新しい玄関ドア。右上に掲げた号室No.706のプレートは、まさにAの自宅だと証明している。
「Aさんの部屋、ここですよね。」
「は、はい、」
未だこの状況に観念し切れないAは、緩慢な動きでバッグの中のキーケースを探す。いや、探すフリだ。それが良くなかった。
「貸して。」
共用部に響く降谷の固い声。
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翡翠 - 頑張ってね( ・`ω・´) (2020年6月25日 16時) (
レス) id: 724d0f98c3 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんちゃん(プロフ) - 新一が、コナンの時同様に、安室さんと接触していると言う事は、怪しい、イコール、組織の残党？か、何か事件？みたいに、盗聴器発信器を付ける癖がある。多分懲りずに夢主に絡んでききまくり、尋問誘導しまくるね (2020年5月14日 7時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
dear(プロフ) - ポポロンさん» 再度すみません。え、ほんとですか！こちらこそ、もったいないお言葉ありがとうございます！引き続きお話を楽しみさせていただきますね！ (2020年1月25日 16時) (レス) id: 5aa04aa1e9 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - dearさん» はじめまして！じ、実はわたくし『彼氏と本命が再会したようです』のファンなのです！ま、まさかdearさんからコメント頂けるとは嬉しい限りです(^ ^)更新頑張ります！ (2020年1月17日 18時) (レス) id: 1b0c412716 (このIDを非表示/違反報告)
dear(プロフ) - 初コメ失礼します、続編おめでとうございますー！これからの展開もすごい楽しみです。応援してます！ (2020年1月12日 14時) (レス) id: 734805a92b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポポロン | 作成日時：2020年1月11日 3時
