＊ ページ18
「ほらほら、危ないですね。」
この男の突然のサプライズは、Aの身体をあっという間に弛緩させた。そのAの美しい曲線美がしなやかによろめくのを案じてか、降谷は極自然に彼女を近くのベンチに誘導する。ベンチを取り囲む様に生い茂る植え込みの木々、その細い枝に散りばめられたイルミネーションのまばゆいばかりの光が、いつの間にか夜の訪れを告げていた。完璧なシチュエーションに浮き足立つカップル達で、辺りは埋め尽くされそうな状況だ。
「ん、あっあの..」
そんな華やかな周囲を気にしながらも体の自由を奪われたままのAは、降谷の次の発言が気になって仕方が無い。彼から少し離れようと試みるも、鍛えあげられた逞ましい腕がそうする事を許してくれないようだ。遠目から見れば、ベンチに座り2人でしっかりと肩を寄せ合う様は、やはり仲の良い恋人だと周囲に匂わせている。
「A、折角だし写真でも一緒に撮りませんか？」
「えっ、写真っ！？」
「ほら？A、インカメラを “よく見て下さい” 」
いつものグレーのスーツのポケットを何やらゴソゴソしていると思ったら、気づいた時には目の前に降谷のスマホの液晶画面とAの視線がぶつかった。はたから見れば、恋人同士が仲睦まじく自撮りをしているとでも映るだろう。しかし、Aの瞳に飛び込んで来たのは、インカメラのディスプレイではない。カメラの起動画面ではなく、真っ白な背景に端的に綴られた文字。それもまた予想外の内容だった。
― 君に盗聴器が仕掛けられているかもしれない、
安室透にあわせてくれ ―
と、盗聴器っ！！？
私にっ！？
Aは思わず飛び出しそうな声を咄嗟に飲み込んだ。一体誰が？それも、いつ？一瞬にして疑問で支配される頭で、そんな行為をいとも簡単に許してしまった自分に酷く落胆した。あの決まり文句がAの頭にすぐ様よぎる。 “ それでよく公安が務まるな。”
もうこの台詞を聞く事は確定だ。安室透に関わりがある者達と挨拶を交わしたが、誰とも触れ合ってはいないのに。Aの疑問符は止まらない。そういえば、風見が小さな少年に度々盗聴器を仕掛けられその都度降谷から叱責される事も過去にあった..
「おや、よそ見ですか？僕とのツーショット写真嫌なんですか？」
「あっ、いえっ..」
Aの疑問符の濁流は、降谷の柔らかな声で一蹴される。カシャ、と音が鳴ったかと思えば掲げられていたスマホはもう彼のポケットの中。
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翡翠 - 頑張ってね( ・`ω・´) (2020年6月25日 16時) (
レス) id: 724d0f98c3 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんちゃん(プロフ) - 新一が、コナンの時同様に、安室さんと接触していると言う事は、怪しい、イコール、組織の残党？か、何か事件？みたいに、盗聴器発信器を付ける癖がある。多分懲りずに夢主に絡んでききまくり、尋問誘導しまくるね (2020年5月14日 7時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
dear(プロフ) - ポポロンさん» 再度すみません。え、ほんとですか！こちらこそ、もったいないお言葉ありがとうございます！引き続きお話を楽しみさせていただきますね！ (2020年1月25日 16時) (レス) id: 5aa04aa1e9 (このIDを非表示/違反報告)
ポポロン(プロフ) - dearさん» はじめまして！じ、実はわたくし『彼氏と本命が再会したようです』のファンなのです！ま、まさかdearさんからコメント頂けるとは嬉しい限りです(^ ^)更新頑張ります！ (2020年1月17日 18時) (レス) id: 1b0c412716 (このIDを非表示/違反報告)
dear(プロフ) - 初コメ失礼します、続編おめでとうございますー！これからの展開もすごい楽しみです。応援してます！ (2020年1月12日 14時) (レス) id: 734805a92b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポポロン | 作成日時：2020年1月11日 3時
