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「おい、アレ見ろよ？」
集中力が切れ始める頃、その低いテノールの声が
私のキーボードを叩く指をピタリと静止させた。
「何ですかぁ？もぉ！またコーヒーですか？
さっきいれてあげたのに..」
「馬鹿、違う！」
この人は、佐々木さん。かつて、私の教育係だった方。また、いつも机上を汚す人。
仕方が無いので、降谷君の次に念入りにデスク周りの掃除をやってあげている。
そのズボラさに似合わない程の、爽やか好青年。
もうとっくに30歳は超えているけれど。
吸い込まれそうな程の
漆黒の綺麗な髪――
耳上とえり足は短くカットし、フロントやトップ、サイドは長さを揃えたセイムレイヤー。
毛先が繊細にカットされているため、シャープな束感が漂う。一言で言うと、清潔感溢れるお洒落な髪型である。
降谷君に負けないくらいの長身。降谷君がここに配属になる前までは、ゼロの中でイケメンという地位を確立していたらしい。
私にとっては、世話好きなお兄さんと言った所
かな。
佐々木さんが、顎で 「あっちを見ろ！」
と訴えていた。それが指し示す先に目線をやると、
割とご年配の男性が項垂れて退室する所。
見るからに上等な背広に身を固め、明らかにうちの者では無い。
「さ、佐々木さん！？あの方って..」
見覚えのある顔だった。よくテレビにでも出るような政府高官だ。
「あの様子なら、また断ったんだろうな。」
「...」
その見解が、私を安心させる...
降谷君のデスクがある方から出て来た先程の男性。
大きなパーテーションが邪魔をする。
2人で何をしていたかは、全く見えないし、
会話を聞きたくても全く聞こえなかった。
ふと自身の腕時計に視線を落とす。
もう何年も愛用している、ソレは小さな傷が
目立ち始めている。
そして、時計の針は丁度11時を指していた。
普段の彼なら、この時間は居なくなるのに..
あぁ..
この為だけにわざわざ時間を
空けていたのかな？
見慣れた筈なのに、酷く陰鬱な気分にさせられる。
「おいっ、月並っ、」
「へっ？」
「ちゃんと聞けよ..だから、降谷さんだよ。」
「俺は、今のあの人が恋愛して結婚なんて
全く想像出来んっ！」
..ですよね..
「いーとこのお嬢さんを紹介されてだな、んでさらに上へ登りつめていく！」
“ いーとこのお嬢さん ”
チクリ――
妙な擬音語が聞こえたような気がする。
「なっ？良い筋書きじゃね？」
これだから嫌なの
彼のお見合いの話なんて――
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ぷぅ(プロフ) - うわぁ、新人に降谷さんが好きですって言えなくて新人の恋愛に協力して下さいって言われたら私だったらこう言ったら｢何でですか？｣って理由を聞かれるだろうけど｢ごめん、無理｣って言っちゃうだろうなぁ(ノдヽ) (2019年11月7日 12時) (
レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール(プロフ) - うわっめっちゃいい所で！更新待ってます！大好きです！ (2019年11月5日 23時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - ヒロインが降谷さんの好きな人って分かったら婚約者(振られてるから元婚約者になるのかな？)きれいな顔をしておいて降谷さんにヒロインの事を幻滅させるような何かひどいいじめみたいな事して来そうで怖いから近づきたくない( ´-ω-) (2019年10月14日 12時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - うわぁ、好きな人が婚約者と話してる所を見るの嫌だし、その間に入るのも嫌だなぁ( T∀T)私なら仕事があるからとかって言って逃げちゃう( ＞Д＜；)でも降谷さんはヒロインを呼んでどうするんだろう？( ´△｀) (2019年10月14日 12時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - とっても素敵な文章と内容で、時間を忘れてずっと読んでいました！凄く続きが気になります！応援しています！ (2019年9月8日 9時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポポロン | 作成日時：2019年6月15日 12時
