＊ ページ37
「愛依が気に病む事じゃないよ。
これは、僕自身の問題なんだ。」
愛おしい男性からの拒絶。なんとも受け入れ難い。
愛依だって必死だ。本当は繊細で弱い人間である。
だけど聞き分けの良い女ぶり、全ては降谷を安心させる為。喉の奥が少し震えていた気がする。
「....零さん、多忙の中..今日は一日有難う。
貴方の気持ち..良く分かりました。」
そう...
よく、ね..
今の現状を悲観する事は無い。
まだ、別の切り札があるのだから..
敢えてもう一度言おう。
愛依は、したたかな女だ。
「...いいの、これからは別の形で..零さんと、
一緒にいれるから。」
そう、やっと..
「あぁ、その事も今野次長から聞いてるよ。よく頑張ったな。かなり優秀だって？凄いじゃないか。」
降谷のその話題で影を落とし始めていた表情は、また柔らかな笑みを浮かべる事が出来た。
「ふふっ..こう見えて、私だって努力したんですよ。」
そろそろ帰ろうと、ネクタイの歪みなどを手
直す降谷に対して、フラフラとした足取りでもう一度ベッドに横になる愛依。2人のやろうとする行動は真逆だ。
「分かってるって...お、おい、そろそろ帰るぞ？」
「う..ん、なんだか急に..眠たくなっ..ちゃ..」
余程気を張り詰めていたのか？
酒には余裕の筈が、今日はどうも様子がおかしい。
降谷の呼びかけにはなんとか応じるが、愛依はうとうと..終いには小さな寝息を立て始めた。
「おい！愛依？？嘘だろ...」
何を好き好んで、愛していない女性と一晩過ごさなければならないのか。何とか起きてくれたらいいのにと、何度も名前を呼び続けた。
降谷は恐れていたのだ。下品な流言を。
愛依には失礼だと百も承知だが、噂というのは実に恐ろしい。形を変えながらあっと言う間に、ウイルスに感染したかの様に蔓延するからだ。
「夜分遅くにすみません...実は―― 」
今の状況の説明義務と詫びを入れる為に、
降谷が意を決して架電した先は..
― ...なんだそんな事か、かまわんよ。零も疲れているだろ、愛依とゆっくりするといい。
じゃあな。―
「えっ、今野次長っ！」
これじゃ、この親子の思うツボじゃないか？
と頭を抱えた。降谷は今迄の経験上、相手を手玉に取り翻弄する事など造作も無い。だから余計に許せないのだ。今野次長でも、愛依でも無く...
相手の思惑を分かった上でそこから抜けれなかった自分を。
ぬかったな、降谷零――
「くそっ、ゆっくりって...一体どうしろと？」
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ぷぅ(プロフ) - うわぁ、新人に降谷さんが好きですって言えなくて新人の恋愛に協力して下さいって言われたら私だったらこう言ったら｢何でですか？｣って理由を聞かれるだろうけど｢ごめん、無理｣って言っちゃうだろうなぁ(ノдヽ) (2019年11月7日 12時) (
レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール(プロフ) - うわっめっちゃいい所で！更新待ってます！大好きです！ (2019年11月5日 23時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - ヒロインが降谷さんの好きな人って分かったら婚約者(振られてるから元婚約者になるのかな？)きれいな顔をしておいて降谷さんにヒロインの事を幻滅させるような何かひどいいじめみたいな事して来そうで怖いから近づきたくない( ´-ω-) (2019年10月14日 12時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - うわぁ、好きな人が婚約者と話してる所を見るの嫌だし、その間に入るのも嫌だなぁ( T∀T)私なら仕事があるからとかって言って逃げちゃう( ＞Д＜；)でも降谷さんはヒロインを呼んでどうするんだろう？( ´△｀) (2019年10月14日 12時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
蘇澳(プロフ) - とっても素敵な文章と内容で、時間を忘れてずっと読んでいました！凄く続きが気になります！応援しています！ (2019年9月8日 9時) (レス) id: e4a4be21c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ポポロン | 作成日時：2019年6月15日 12時
